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魔物と出会いました。

 ユキムラがあっさりとゴブリンを倒しました。


 まぁ、ユキムラが強いのかゴブリンが弱いのかは分からないけど、明らかにゴブリンよりは速かった。敏捷性は上なのかもしれない。そもそもゴブリンの強さはどのくらいかも分からないんだけど。


「ユキムラ、ゴブリンの強さってわかる?」

「申し訳ありません。某、スライム以外の魔物と出会ったことなど無い故に……使えなくて済みません!」

「いやいやいや、気にしてないから」

「ユキムラ、心外だよ! 私とも会ってるじゃん!」

「お主は魔物と言って良いのか分からぬからカウントはせん」

「酷くない?」


 そこは俺も同意見だったりするのだが、拗ねられては困るので、心のうちに留めておこう。


「ですが、主。スライムごときに殺られる様ではゴブリンはそこまで強くはないと思われますぞ」


 いや、君一応ダンジョン最強だからね? あまり当てにはなんないから。

 ユキムラには感謝を再び伝えて俺達3人? は森の探索を続ける。この森、そこそこ広いみたいで、開拓すれば村か街位なら作れるんじゃ無いかな。

 でもそんなことは俺でも思い付くのに国が思い付かないのは何でだろうか。事情でも有るのかね? 今の俺の立場からすればありがたい事なんだけどな。

 

 だって最初から村とか街の中にダンジョンが現れたら絶対破壊されるだろ? 生まれてすぐ死ぬようなものだ、今回は素直に感謝したい。おぉ、神よ……ダメだな、アイツにだけは感謝はしない。


 その後何度かゴブリンにも遭遇したけど悉くユキムラに殺れて俺は無傷である。楽で良いよね、ラビィは何かジト目でこっちを見てるけど。


「クロトは戦わないの?」

「俺って弱いのよ。ゴブリンにも負けるって絶対、武器も無いからね」

「ふーん……見たかったなぁ戦ってるところ」

「俺の戦場はダンジョンなのさ。得意不得意、適材適所ってあるじゃない。それとも俺に死ねと?」

「そんなんじゃないよ! ただ、実力隠してるとか無いのかな? って」


 ははは、そんなわけ無いだろう。こっちは手違いで呼ばれたただの大学受験生だぞ、鍛えてすらもいないわ。

 森が広く、さらには食料の類いも持ってきてはいないので、お腹は減る。その辺の木の実でも食べようかなと思って試しにゴブリンの奴に食べさせた。


 投げて間違えてぶつけてしまったときはマジギレしながらこっちに向かって来たがユキムラに衝突されて死んだ。

 今度は地面にそっと置く感じでゴブリンが来るのを待ち、食べに来たくれた。


 ひょいと口に放り込んで頬張るゴブリン、美味しそうに咀嚼している所を見るとなんかムカッと来る。ゴブリンの癖に……おっと、差別はいかんぞ、僕らは皆生きているんだからな。


「グギョ? ブギャラベチ!?」


 するとゴブリンはビクンビクンとキモい痙攣をし始め、地面をのたうち回った後、動かなくなった。


「何あれ」

「分かんない……」

「気持ち悪いでござるな」


 ははは、何が皆生きているだ、死んでるなら差別も糞もないんじゃ! 動かなくなったゴブリンの状態を見るために近づくとそのブサイクな緑の顔はすこし青ざめ、口を開けて白目を剥いている。キモい、非常にキモいのだ。


 木の枝でツンツンしてみる。うん、動か無いな。アブねー、こんなもん食ったら俺もゴブリンの二の舞になるところだった。良かったー、最初はラビィで試そうとしなくて良かった~!


「グルァァァァァァアッパァ!?」

「はいぃぃぃぃい!?」


 突然ギョロっと目を動かして立ち上がったゴブリンは体操選手顔負けの身体能力で空中回転を決め俺達はその間に距離を取る。

 めっちゃビックリした。死ぬかと思った!


 そんでこのゴブリン、未だに痙攣を続けている訳だが何か有るのだろうか。

 するとゴブリン、身体中をバキバキと言わせて急激に成長していく。身長は俺よりも高く体つきも逞しくなる。そして何よりキモい顔が整っていく。


「……アンチエイジング、だと?」

「なにそれなにそれ!?」

「いや言ってみただけだ」

「なにそれ!?」


 特に意味はない。驚いて戦慄とかしてみたかっただけだ。あのガチムチゴブリン、有り体に言えばもしや、進化したのではないだろうか。

 ホブゴブリンって奴だ。普通にゴブリンより圧倒的に強く、賢いって漫画とかで見たことある。


 気づかれたらヤバイじゃん。さっさと逃げよう。


「ユキムラ君、ここは一時離脱を……」

「ぬおおおお! ここで逃げては武士の名折れ! 主よ、某の戦い、見てて下され!」


 そう言うとユキムラは木を使いなら縦横無尽に駆け巡ってホブゴブリンへと接近していく。

 いや、撤退って言ったじゃん! それとお前武士じゃねぇよ!?


「ウガ? ウルァ!」


 ユキムラに気づいたホブゴブリンはかなりムキムキだ、さっきまで着けていた腰簑なんてサイズが違いすぎて破裂寸前である。誰得なんだよそれ! おとなしく倒されろ!


 ホブゴブリンの拳を掻い潜り、ユキムラの体当たりはホブゴブリンの鳩尾にクリティカルヒット、予想外の威力で踏ん張っていなかったのかアッサリと倒れて奴の物が一瞬だけ見える瞬間が予測されたのでラビィの目を抑えて見せないようにする。


「ちょっと! 見えないよクロト!」

「見なくて良いの! ちょっと待ってなさい!」


 思ったよりダメージを受けたホブゴブリン、ユキムラは追撃を止めることなく素早い体当たりを繰り出している。

 ホブゴブリンも結構速いとは思うがユキムラが速すぎるせいで霞んで見える。良いところ無いな、ホブゴブリン。


 それから数分が経過した辺りでホブゴブリンは倒れた。死んではいないようだが危険なので安易に近づかない。ユキムラを盾にしながら進む。ユキムラにはバレないように。


「主の盾ですか? 喜んでお受けしましょう」


 バレてた。まぁそのまま無視して帰っても良いんだが少しだけ近くで見たいと言う怖いもの見たさと言うやつだ。勿論動いたら速攻で逃げるがな。


 するとピクリと体を動かしたので脱兎の如く俺は逃げた。


「ま! 待ってくれ、話を、話を聞いてくれ!」


 ホブゴブリンは手を出しながら俺に話しかけてくる。


 ……いや、お前も喋るんかい!

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