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監視……しようか

 冒険者に交渉をしてダンジョンのことは秘密にしてもらい、帰ってもらうことにした翌日、俺はまだマスタールームにいる。まぁ、出られないんだし仕方ないよね。


 今はラビィがサスケと共に冒険者達を見送るためにダンジョンの入口にいる。


『では、約束はお忘れなく』

『分かっている、命の方が大事だからな。行くぞ、ギン、ドウ』


 そう言うと3人は入り口から出ていき、真っ直ぐに街を目指しただろう事を確認すると俺もダンジョンの入口がある森林エリアへと移動した。


「お疲れ様、あとは向こうが約束を守るかが問題だな」

「確かにクロトの言う通りだね。監視するって言っても限界があると思うし」

「まぁ、少しでも時間が稼げれば良いかな。俺だってあの冒険者達は信用してないからね」

「旦那は意外と非情だよな」


 まさか、ビビってるだけだ。死にたくないんだから、俺が死ぬか他人が死ぬかなら当然ながらどんな手を使ってでも俺が生き残るように仕向けるに決まってるじゃん。


「あ、サスケ。サイゾウを紹介してよ。まだ会ったこと無いからさ」

「そうだな、サイゾウ! いるか!」


 頷いたであろうサスケは突然辺りに叫びサイゾウを呼ぶ。いやいや、そんなんで来る訳が無いでしょうよ、漫画じゃないんだから。


「何? 呼んだ?」


 来るんかい。

 しかも何故俺の後ろから来るんだ、そう言う趣味か。恐らくサイゾウも忍者系なんだろうけど、サスケと言いこの暗殺部隊め! 心臓がバクバクしてるんだよ!


「流石は旦那様です! 私が現れても驚きの1つも見せないなんて、サスケ君が言った通りですね! ニンニン!」


 いや、これは驚きを通り越して表情筋がしんだだけだぞ、それとなんだ、そのとって着けたようなニンニン! って、そんなの教えてないぞ。


「旦那はそうとうやる御方だ。俺達になんて気付いているに決まってるだろ」


 そんな訳無いじゃないか! なんでそうなるんだ、くそっ、過大評価のプレッシャーで押し潰される!


「って、そうだ、そのニンニン! って何?」

「えっと、サスケ君が私達みたいなのを忍者と呼ぶらしいって教えてくれたので、ニン! だけ取りました。変ですか? ニンニン!」

「そうだな、大分変だな。」

「じゃあ、止めます! 流石はご主人様、私の部下って肯定しかしなくて困ったもんですよ」


 それにしてもちょっと女の子っぽい声なんだよな、喋り方的にも元気な女の子って感じがする。


「サイゾウって女の子なの?」

「その通りですよ! 私は女にして忍び十勇士が1人、サイゾウ。宜しくです!」


 ピョンピョン跳ねながら自己紹介をするサイゾウ。……そうか、女の子なのか。スライムに性別とかあるのか……サイゾウって名付けてごめんなさい。


「マジでごめんね」

「え、え!? なんでご主人様が謝るんですか!? 悪いことしてないですよ?」

「うん、とりあえず謝っておくことにします。それにしても女の子で忍者か……それは忍びって言うよりくノ一って言う部隊になるね」

「くノ一……! これまたカッコいいです! 気に入りました! これから私の部隊名はくノ一です!」

「お、おう、それは良いけど女性の忍者の事を言うんだぞ?」

「? 大丈夫ですよ、私の部下全員が女性ですし。知ってて分けたんですよね?」


 マジかよ、意図してねぇよ。やっべバレたら見離される。


「も、もちろん? そのつもりでやったに決まってるし? アハ、アハハハハ……」


 変な笑いになってるな、こりゃ駄目だわ。


「流石はご主人様です! 一生ついていきますよ!」

「その前に旦那の任務をこなしてくれよ」

「当然です。初任務、必ずや成功させます」


 そうだった、サイゾウには冒険者の監視を頼んでいたんだっけ、言うことがあるのを忘れていたよ。


「ちょっと難しい頼みになるんだけど良いかな?」

「はい、何でもござれです!」

「実はこの条件、穴があってさ。話さないように頼んだは良いけど、何か文字にして書き込まれたりしたら止めようが無いんだよね。そこも出来れば防いで欲しい。向こうは絶対にその事に気づいて実行すると思うから」


 そう、俺達は喋らないように言っただけだ。そして掲示板等があるかは分からないが声に出さずに伝える方法は幾らでもある。念話みたいなスキルを使われたら終わりだけど、文字に起こすなら何とか防げると思うんだよな。

 俺達の目的は時間稼ぎだけど、バレないならバレない様にしたいからね。


「なるほど、分かりました! この命に変えてでも遂行して見せます!」

「いや、命に変えるのは許しません。絶対に帰ってくるように、最悪バレても対処はするからね。サイゾウが居なくなる方が嫌だ」

「ご主人様……はい! 分かりました! 死なない程度に頑張ります!」

「頼んだ」


 恐らく頷いたサイゾウは俺の頼みを早速実行する為だろう。その場から消える。いやぁ、ギリギリ見えるか見えないかの速さだから固まってたよ。


「んじゃあ、こっちはこっちで色々やろう」

「了解」

「私にも出来ることは協力するよ」


 ◇


 俺達はダンジョンの精霊からの提案、殆ど脅しだが、ダンジョンの事は黙っていろと言われた訳だ。俺としては別に生きて返してくれるなら良いんだが、頭でっかちのドウは納得してない。


 取り敢えずは了承はして、1日は休ませて貰った、魔物が本当に襲ってこないし姿も見せなかったんだから信用はしてもらえたんだろうな。


 そんで俺達は今、ダンジョンから出て街へと歩いてる所だ。まさか見送りまで来るとは思わなかったがな。ギンの野郎、ずっとダンジョン精霊の事を見てやがった。思春期だねぇ。


「んで、ドウ。お前はまーだ話そうとしてんのか? 死んじまうぜ?」

「だからこそだろキン。 こんな能力が使えるダンジョンを野放しに出来るか」


 はぁ、コイツは無駄に頭が固いからな、だから結婚出来ねぇんだろうな。顔は良いくせにそう言うところが駄目だわ。


「そんなに執着するって事は、何か方法が有るんだろ?」

「あぁ、この条件の穴を見つけた。俺達は口にするなとしか言われていないんだ、つまりギルドの掲示板に書き込むことは出来る。それに俺達は顔も広い、そんな俺達が言うんだから信憑性は高い筈だ」


 なるほど、確かに穴だな。それにギルドの掲示板に書くってのも良い手かも知れねぇ。

 でも、明らかに罠じゃねぇか? あからさますぎる気がするんだよな。まるでこうするのを誘ってるって感じがする。


「罠じゃねぇのか?」

「罠だとしても俺達は危険性を伝える義務がある」

「はぁ、お前は義務義務ってよぉ、そんなもん出来れば守ってくれって話だろ。この前もこっちが独自で手にいれた情報をお前が流しちまうからこっちの儲けが減ったの忘れたか?」

「それとこれとは話が別だ。これは危険が有るんだぞ、街の人達を巻き込む訳にはいかない」


 もっと柔軟性を身につけてくれないもんかね……。そもそもこの話で事を荒立てる事になって街を巻き込んでるって事に気づかねぇのか? コイツは広い目で見れねぇから駄目だわ。

 そもそももう一度ダンジョンに出向いたとして、隠蔽でもされて見つからなかった時、罪に問われるのは俺達だって~の。

 チラリとドウを見る。こりゃ何を言っても聞かねぇって顔だな、そんときゃそんときだな仕方ねぇ。


「にしてもギン、お前も何か言ってやれよ」

「可愛かったなぁ、また会えるかな……ハッ! 今度はお土産持っていこう!」

「駄目だな。聞いちゃいねぇ」


 こんな気の進まねぇ帰宅は初めてだ。何も起こらないと良いんだけどな。

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