あれから……
新章開幕だ!
プロット出来てないけどな!
今さらだから気にすんな、作り方なんて分からないから!
予約投稿忘れてた!ごめんなさい!
「そろそろ1年か、感慨深いな」
「何の話?」
「この世界に来てからの話だ」
手違いで召喚され、ダンジョンマスターになってからそろそろ1年の時が流れる。
実際、ダンジョンがバレる切っ掛けとなった冒険者パーティー撃退から半年近くも経ったのだ、あの後からは慌ただしい毎日が続いた。
まずはダンジョンの外についてだ。
半年前にやって来て見事に取り逃がした冒険者達のお陰というか仕業と言うか迷うところではあるが、あれから度々冒険者が攻略にやって来る様になってしまった。
マルタの街からのみならいざ知らず、俺の知らない街や王都と呼ばれる場所からも色んなランクの冒険者がこぞってやって来る。
ある程度の情報はマルタの街で手に入るだろうしこのダンジョンの序盤位なら問題なく進めるだろう。むしろ攻略に来ているのなら進んで貰わなければこちらも困る。
「ラビィ、そいつ隙だらけ」
「おっけー!」
今もダンジョンの攻略に赴いている冒険者の対処中だ。ラビィの操る木の魔物達による波状攻撃で1人仕留めた。DPゲットである。
基本的にはその階層の魔物達に冒険者の対処は任せているのだが時たま俺達が権限を使い対処に回ることもある。要するに暇なのだ。
「あー、やっぱ気分が悪くなるな」
「慣れないものなんだね、私に任せてたら良いのに」
「マスターが目を反らしたらダメだろ」
この半年、幾度にも渡りやって来る冒険者をモニター越しではあるが始末してきた。当然ゲームみたいにポリゴンが出たり光の粒子になって消えるなんて事も当然なく、R18ゲームよりもグロい。何度吐いたことか。
「この冒険者達情報手に入れてないみたいだね」
「情報は大事だって誰でも分かることだと思うんだけどな、DPの入りも悪いしランク帯が低いのかもな」
マルタの街では当然このダンジョンの事で話題が持ちきりだ、サノーを使って調べたんだから間違いない。
何でもここの攻略をしてやろうと腕自慢達が集まっているらしく、情報が行き交っているようだ。
街の方も俺たちのダンジョン目当てにやって来る冒険者のお陰で経済が潤い、街の暮らしは豊かになりつつあるそうで街の住民はダンジョンに感謝はすれど恨んでいることは無いらしい。
ダンジョンでは良くある危険な魔物がダンジョンから出てきて街に被害をもたらしていない事から入らない限りは恐れられる事もないとか。
そして冒険者の中には情報を録に集めないままやって来るお馬鹿さん達が結構現れる、さっき潰した奴らもその一部だな。
情報とはバカにできるものではない、そこまで実入りの良くない話でもほんの少しのきっかけで重要な手がかりになることもあるのだ、命には代えられない。
このダンジョンの噂話としてはまず『入ったら出られるとは思わないこと』の様で、攻略に向かうと高確率で死ぬと言う冒険者からは恐れられ住民からは感謝される変わった扱いを受けている。
マルタの街の領主はダンジョンを有効利用し冒険者達を呼び寄せ街を儲けさせている様だ、主に『ダンジョンがありますよ、自信のある方は挑戦を!』的なことを言いつつ人を集めている。
それに釣られてやって来た冒険者達は情報を集めたり直ぐ様突撃したりで分かれるのだが、どちらもプラスになるかは微妙な所だ。
情報を集める者達はダンジョンから出られるかは分からないと言う事実から挑むのに躊躇する。まぁ確実に出たいなら【転移】のスクロールを手に入れるしか無いわけだしそんなお金も無いだろう、何せ金のためにダンジョンに来るのだから。
直ぐ様突撃する奴らはさっき潰した奴らが該当する、何も分からないから直ぐに死ぬのだ。たまに生き残る奴らもいるが今回は運が悪かったとしか言えないな。ドンマイ。
何せこのダンジョンは基本的に冒険者を逃がすつもりはあまり無い、というか俺とラビィが赴いた時に限り全滅するのだ。
魔物達に任せているときはそいつらの采配で生かすも殺すも自由にしているし俺は俺が安全ならそれで良い、最悪ダンジョンコアさえ破壊されなければ問題はない。
そんなダンジョンコアだが、今は村エリアに隠している。その前は迷宮エリアだったのだが、迷宮エリアの守護者をしているリビングアーマーことリビちゃんによって壁なんてしょっちゅう破壊されるから気が気ではない。
よって移動を余儀なくされた。
そんな危険だけがあるダンジョンに何故人がまだ増え続けるのかと言う話だが、ひとえにダンジョン内で手に入るアイテムや装備などがあるからだろう。
俺が気分で色々と仕込んでいるのだがそれが割りと人気らしい。サノーに探って貰ったが街の鍛治師が打つよりも品質も高く壊れにくいそうだ。
DPから入手できる物は品質としてはかなり高いものが多いし恐らくそれが原因であろうと推測する。
つまりダンジョンに人が増すのは半分は俺のせいでは?……いやいや、決めつけるにはまだ早い。
ともあれ本格的にダンジョンの運営が予期せず開始されてしまった訳だ。
こちとらダンジョンをまともに運営するつもりは無いと決めたばかりなんだけどな、うーむ世の中上手くいかない様に出来ている。
「クロトー、冒険者の死体は?」
「いつも通りDPに変換せずに保管しててくれ。あと装備も分けてくれると助かる」
「おっけー」
ラビィは冒険者の死体を村エリアへ、装備の類いはマスタールールへと移動させていく。
DPと言うのは時間経過でも少しずつ手に入るがその場で命を断つと一気に入手出来るのだ。
そして死体をダンジョンに取り込む事で追加でDPが入るのだが、俺達はそれをしない。いや、そういう言い方をすると語弊があるがDPとしてはもっと効果的な運用ができるのでやってないのだ。
「うん、今回は上手く装備を傷つけずに立ち回れたな」
「慣れてきたもんだよね!」
「これで装備にかかるDPも負担が少なくなるな」
俺達は冒険者を倒した後、その装備をかき集めてダンジョンの魔物達へと配っている。供給は全然足りてはいないが、俺の場合1度認識すればDPで賄えるので量産は可能だった。
ただ、あるものは有効活用したいので村に流してありがたく使わせてもらっている。
これが装備の使いどころではあるのだが、死体になった冒険者はどうするのかと言うと。
「死体は【魔物化】するの?」
「人数足りてないしな、それに意外と使える」
俺の持つスキル【魔物化】で死体はアンデットの魔物になるのだ、所謂ゾンビだ。
この半年間でゾンビは増え続けたことにより、数の少なかったアンデット達の数はかなりのものになった。ミストや他の能天気ゾンビ達も喜んでいた。
まだ生きている人間に試した事はないが【魔物化】は通用するようだった。俺が今まで使ってきたのは砂とか木などの意志があるのか曖昧なものにばかりだ。
一応有機物と無機物に使えると言うことは分かるがその線引きはよく分からない。ダンジョンの木には使えないが自然に棲息している植物には使えるとかな。
俺にも使えるのかもしれないが現状使う意味はないのでやらない。
それにアンデット冒険者はかなり有用だ。意志の類いは殆ど残っていない、ただのゾンビなのだが技術は依然として体に染み付いている様で戦闘時の立ち回りやパーティーでの動きかたなど大変勉強になるものばかりでこっちの魔物達の技術強化に大きく繋がるのだから。
素人の俺が教えるよりも遥かに早いだろうし。
「今回は良い相手だったね」
「まぁ、そうだな。ちょっと自信過剰な奴らだったし言い方は悪いが鴨だった」
「クロトも悪くなったねぇ」
「いやいや、手段に厭目をつけてないだけだから」
こっちは冒険者がやって来たら少し緊張するんだぞ、思いもよらない強敵とかこられたら困るし。
「でもあんなのが来られたらそうなるよね」
「……あれは悪夢だったな。死ぬかと思ったし」
2ヶ月程前、ダンジョンの噂を聞き付けた高ランクの冒険者パーティーがやって来たことがある。
それもAランクと言う、『竜狩り』ことアスカと同格の冒険者が四人一組でだ。時間経過で入手出来るDPが多かったので驚いたものだ。
今ある階層の半分程が攻略され、こっちもそれなりの被害を被った。俺が最初に召喚していた十勇士の配下スライムも3分の2程が殺られてしまい、かなり動揺した。
仲間が殺られるって言うのは俺にはかなり重かったのだ。その時は気が動転していて、即刻撤退命令を出してそれ以上の被害を出さずに済んだものの、暫くはまともに動けなかった。
冒険者の方は序盤で1人は森林エリアの定番奇襲攻撃で倒せたのだが、そこから速度を上げた冒険者達を捕まえることは叶わなかったものの、装備をある程度消耗させることに成功した。
そしてスライム達が倒された後からミストとリビちゃんによって冒険者を追い払うことが出来たのだ。ただし、用意周到だった冒険者達は【転移】のマジックスクロールで脱出されてしまった。
仇を撃つために捕らえたかったのだが簡単には行かなかったな、こっちが相手を舐めすぎた。被害こそ最小限だったものの、心情は最悪だったからな。
なら2ヶ月でここまで立ち直っているには訳がある。DPで召喚した魔物と言うのは召喚した時のDPより2割増し位使うと復活が可能だった。
驚きのあまりに消費度外視で全員を復活させ、安堵から気絶したのは情けない話だ、起きたら部下スライム達が殺到しておりベッドになっていたのは嬉しくも少し恥ずかしかったな。
ともあれこれで復活は可能と言うことになった訳だが、復活が出来るからと言って無茶はしてほしくは無いものだ。
消費DP2割増しで復活出来るならあの強いユキムラや十勇士での半永久強行突破が可能になると言うロマンもあるが進んでやるつもりはない。最終手段だと思う。
ラビィも最初はあまり役に立っていないイメージではあったがここのところ頑張っているようで成長を感じている。
前よりも頭を使うようになったと言うか、恐らくここ半年でダンジョンを強化し続けたからかもしれないな。
成長するとはずいぶんと感心するものだ。
「イチゴミルク飲もーっと。あぁ!消費期限切れてるぅ!?」
……残念なところは変わらないようだ。
気がつけば本当にリアルにも小説書いて1年が立とうとしています。
趣味で始めた割には続いていて驚きですね、これも読んでくだる皆さんのお陰です。
いつかランキングに何かが載ったとき、「この人は自分が育てた」なんて思ってくれた嬉しいです。




