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突然魔法少女? 99

 画面の中で明華が十分に要の折檻を楽しみ終えたというところで画像が消えた。

「あっちもお休みみたいですね」 

 そう言って伸びをする誠。画面が消えたのを合図にして楓と渡辺はそれぞれの席に戻る。

「まあ……なんて言うか……」 

 頭を掻きながら嵯峨はそのまま立ち上がった。その隣には真っ暗の画面を凝視して余韻に浸る彼の娘と愛人と呼ばれている士官の姿がある。ただ嵯峨は苦笑いを浮かべていた。

「隊長大丈夫ですか?」 

 いつの間にか自分のデスクに戻って仕事を続けていたアンが顔を出す。

「大丈夫だろ?数なら神前の方が食べてるんだ。あーあ、胃がもたれる」 

 嵯峨はそういい残して部屋を出て行った。残されたのは三段目の半分以上を食べつくされた重箱とポットと急須。

「アン軍曹。悪いが急須の中を代えてくれないか?」 

「了解です!」 

 カウラの言葉に椅子から跳ね上がったアンは、そのまま誠に笑顔を浮かべて急須を持って部屋を出て行く。

「ふう、さすがに腹が膨れますね」 

 これで最後にしようと誠はおはぎを口に運ぶ。さすがに口の中も甘ったるくなって嵯峨の気持ちも理解できるような気分だった。

「今、女将さんはあっちの部屋に居るんだろ?」 

 カウラもさすがに甘さにやられたようで、明らかにペースを落として一個のおはぎをゆっくりと食べ続けている。

「まあアイシャさんは甘いものには目が無いですからね。それとなんといってもナンバルゲニア中尉がいますから」 

 その名前を聞くとカウラも楓も渡辺も頷く。彼女の大食漢は誰もが知るところだった。

「おう、元気しとったか?」 

 そう言いながら急須の茶葉を取り替えてきたアンに続いて明石清海中佐が部屋に入ってくる。先週までは実働部隊隊長兼保安隊副長と言う肩書きでこの部屋の主のような存在だった明石だが、同盟司法局の内勤職員に転属した彼は、まるで借りてきた猫のようにおとなしく開いていた丸椅子に腰掛けた。

「どうじゃ、クバルカ中佐は」 

 アンが気を利かせて明石がここに残していった大きな湯飲みに茶を注いでいる。

「厳しいですけど頼りがいがありますよ。さすが教導部隊の隊長をしていただけにいろいろ技術的な指導をこまめにしてくれますし」 

 そう言う誠の言葉には嘘は無かった。柄の悪い小学生にしか見えないランだが、言うことはすべて理にかなっていて新米の自覚のある誠にはそのすべてがためになるように感じていた。

「まあワシはそう言うことは苦手じゃったからのう」 

 明石は大きな湯飲みを開いているロナルドの机に置く。

「それよりも明石中佐の方が大変ではないんですか?上との折衝とかがあるでしょうし」 

 久しぶりの上官の姿に笑顔を浮かべながらカウラがたずねる。

「まあな、居づらいちゅうかー……何をしたらええかわからんちゅうか……まあ今はとりあえず頭を下げるのが仕事みたいなもんじゃけ」 

 そう言って剃りあげた頭を叩きながら明石はいつもの豪快な笑い声を上げた。

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