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突然魔法少女? 97

『あなたは……なぜ機械帝国のことを?あなたは……魔力も無いのになぜ?』 

 シャムの肩に飛び乗ったグリンを明石が見つめる。

「それよりこの奇妙な動物に突っ込むな、俺なら」 

 そう言いながら明らかに無理をしておはぎを口に運ぶ嵯峨。

「惟基さん、お嫌いでしたか、甘いものは」 

「いやあ、そんなこと無いですよー。僕は大好物ですから……おはぎ……」 

 明らかに春子に気を使っている様子にカウラと誠は苦笑いを浮かべると再び画面を覗く。答えることもせずシャムに近づく明石。明らかに変質者とコスプレ少女と言うシュールな絵柄に突っ込みたいのを我慢しながら誠は画面を見つめていた。

『知っている人は知っているものさ、どこにでも好奇心のある人間はいるものだからね』 

 明らかに関西弁のアクセントで無理やり標準語をしゃべる明石。誠はとりあえず突っ込まずにそのまま黙っていた。

「やはり明石中佐は訛りが強すぎるな」 

「そうですね、播州コロニー群の出身だそうですから。あそこの出身者の訛りはなかなか抜けませんよ」

 楓と渡辺は要が姿を消して関心を失ったと言うようにそのまま自分達の席へと戻っていく。

『でも、あなたは魔法を見ても驚かなかったじゃないですか。この世界の人がそんなに簡単に魔法を受け入れるとは思えないんですが』 

 グリンの言葉ににやりと笑って禿頭を叩く明石。

『確かにそうだ。俺はある人物から話を聞いてね』 

「そのある人物がお前か……でもどう見ても……プリンスには見えないな」 

『マジックプリンス』と言うなんのひねりも無い役名の誠の顔を見つめるカウラ。その吐息がかかるほどまで接近している彼女にまじまじと見つめられて、誠は鼓動が早くなるのを感じたが、カウラはまるで関心が無いというように再び画面に目を移す。

『いずれ君達と一緒に戦う日が来るだろう!それまではお互い深いことは知らない方がいい』 

 そう言うと猟銃を握り締めて立ち去る明石。

「あいつ、本当に訛ってるな」 

 そう言いながら嵯峨がお茶を啜っている。その時、再び詰め所のドアが開いた。そこに立っていたのはパーラだった。

「ああ、春子さんここでしたか。アイシャが呼んでますよ」 

「ごめんなさい。じゃあ行ってきますわね」 

 そう言って立ち上がる春子。その後姿を目で追っている嵯峨。

「隊長……」 

 突然誠に声をかけられて頭を掻きながら嵯峨は口の中のあんこを飲み込もうと再び出がらしになった茶の入った急須に手を伸ばす。

「父上、口をゆすぐのはやめてくださいよ」 

 自分の席の端末を開いて仕事を再開した楓の警告が飛ぶ。苦笑いを浮かべながら嵯峨はそのまま口に入れたお茶を飲み下した。

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