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突然魔法少女? 67

「はーい!台本できました!」 

 アイシャの軽やかな声が響く。全員が彼女のほうを向いた。

「ちょっと待て、いくらなんでも早すぎるだろ?それにアタシ等の意見もだな……」 

「吉田さんが協力的だったから。やっぱりあの人こういうこと慣れてるわね。今回は誠ちゃんが嫌がったプロットを組み合わせたら面白く出来から。それじゃあ配りますよ!」 

 そう言ってサラとパーラが手にした冊子を次々と配っていく。

「題名未定ってなんだよ」 

 受け取った要がつぶやく。

「プロットを組み合わせただけだからしょうがないのよ。なに?それとも要ちゃんが考えてくれるの?」 

 アイシャが目を細めるのを見てあからさまに不機嫌になった要は仕方なく台本を開く。

「役名は……ここか」 

 カウラはすぐに台本を見て安堵したような表情を浮かべる。深刻な顔をしていたのはランだった。彼女はしばらく台本を自分の机の上に置き、首をひねり、そして仕方がないというようにページを開いた。

「ブラッディー・ラン。血まみれみてーな名前だな」 

「いいじゃねえか。勇名高き中佐殿にはぴったりであります!」 

 いやみを言って敬礼する要をにらみつけるラン。そして誠も台本を開いた。

『マジックプリンス』 

 まず目を疑った。だが、そこには明らかにそう書いてあった。そしてその下に『神前寺誠一』と名前が入る。

「あの、アイシャさん?」 

「なあに?」 

 満面の笑みのアイシャを見つめながら誠は言葉に詰まる。

「僕もあれに変身するんですか?」 

「そうよ!」 

 あっさりと答えるアイシャ。昨日調子に乗ってデザインしたあからさまにヒロインに助けられるかませ犬役。そして自分がその役をやるということを忘れて描いた全身タイツ風スーツの男の役。

「ざまあみろ!調子に乗っていろいろ描くからそう言う目にあうんだよ!」 

 要が誠の肩を叩きながら毒を吐く。その後ろで魔女姿のランが大きくうなづいている。

「じゃあアタシの憧れの人が誠ちゃんなんだね!」 

 そんなシャムの無邪気な言葉が響き渡ると三人の女性の顔色が青くなった。そんな空気を完全に無視して誠の腕にぶら下がるシャム。口元を引きつらせながらそれを眺めるアイシャ。

「あ!そうだった!じゃあ台本書き直そうかしら」 

 そう言ってアイシャが要の手から台本を奪おうとする。要は伸ばされたアイシャの手をつかみあげると今度はシャムの襟をつかんで引き寄せた。

「おい、餓鬼は関係ねえんだよ……ってカウラ!」 

 シャムの言葉にいったん青ざめた後に、頬を真っ赤に染めて誠を見つめていたカウラが要に呼びつけられてぼんやりとした表情で要を見つめていた。

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