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突然魔法少女? 52

「ちゃんとテメーの尻はテメーで拭けよ。知らねーぞ、あいつカウラにも同じことするつもりだぞ。そうなりゃこういうことに免疫のねーカウラだ……まあアタシはかまわねーけどな」 

 ランの言葉に要とアイシャは目を見合わせて立ち上がる。当然のように野次馬を気取るサラや島田が立ち上がってそのあとをつけていく。

「カウラひゃん!」 

 そんな誠の声に要とアイシャ、そして野次馬達は階段を駆け下りた。壁際に水を入れた瓶を持ったカウラを追い詰めて立つ誠。その姿を見て飛び掛ろうとする要をランが引っ張る。

「野暮なことすんな」 

 そう言うと先頭に立ち階段に伏せて二人を見つめるラン。アイシャもその意図を悟って静かに伏せていた。

「なんのつもりだ?神前」 

 冷たい調子で言うカウラ。だが、要もアイシャもその声が僅かに震えていることに気がついていた。完全に傍観者スタンスのサラがアイシャの顔を覗き込む。

「どうですか、クラウゼ少佐。このまま神前君はがんばれますかね」 

「いやー無理でしょう。彼はどこまで言っても根性無しですから。根性があれば……」 

 島田との付き合いが公然のものであるサラの言葉に思い出されたさまざまな自分の誘いのフラグをへし折ってきた誠の態度にこぶしを握り締めるアイシャ。

「僕は……僕は……」 

「僕がどうしたんだ?飲むか?水」 

 そう言うとカウラは誠の頭から氷の入った水をかけた。野次馬達の目の前には、誠でなく自分達を見つめているカウラの冷たい視線が見えた。

「つっ!つっ!つっ!冷たい!」 

 思わずカウラから手を離す誠。同情と自責の念。思わず照れながら立ち上がる野次馬達。

「アイシャとクバルカ中佐……それに西園寺。いい加減こういうつまらないことを仕組むの止めてくれないか?」 

「そうだ!止めろっての!」 

 立ち去ろうとする二人の手を掴んで拘束するサラと島田。ランとアイシャが振り返った先では彼女達を見て囁きあう隊員の顔が見える。要もその攻め立てるような視線に動くことが出来ずにラン達と立ち往生していた。

「なにするのよ!島田君!」 

「離せ!」 

 ばたばた足を持ち上げられて暴れるランとアイシャ。カウラは二人を簡単に許すつもりは無いというように仁王立ちする。

「わかったから!こんどから誠ちゃんで遊ぶの止めるから!」 

「覗きは止める!だから離せってーの!」 

 ランの懇願に島田は二人の足から手を離す。カウラはそれだけではなくそのままラン達のところまで歩いてきた後、野次馬組を睨みつけた。

「ったくオメー等がはっきりしないのがいけねーんだ……って、寝てやがるぞ、あいつ」 

 そんなランの言葉に要とカウラは誠に目をやった。酒に飲まれて倒れこんだまま寝息を立てる誠。

「風邪引くからな、そのままにしておいたら。アイシャ、カウラ、要。こいつの体を拭いて部屋に放りこんでこい。それとあくまでつまらねーことはするなよ」 

 頭を描きながらランはそのまま部屋に向かって去って行った。

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