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突然魔法少女? 28

「みんな!元気してた!」 

 そう言ってアイシャとハイタッチをするシャム。なぜか猫のような長い尻尾を制服のタイトスカートからはやしているわけだが、いつものことなので誰一人突っ込まない。

「元気って……さっき別れたばかりだろうが!」 

 そう言ってそのままシャムの頭を抱えようとした要にグレゴリウス13世が体当たりをかました。

 要の130kg以上ある軍用の義体も相手が巨大なひぐまとなればひとたまりも無く、顔面から保安隊に間借りしている遼州同盟機構司法局法術特捜隊の壁に激突する。

「なにをしていらっしゃるの!?」 

 そう言いながら顔を出したのは保安隊隊長嵯峨惟基の娘であり、法術特捜主席捜査官嵯峨茜警視正だった。

「ああ、アンケートを配りに来たんだけど」 

 そう言って倒れている要から二枚のアンケート用紙を奪い取って渡すアイシャ。それを受け取った茜はそのまま倒れこんでいる要を無視して要がぶつかった壁を丹念に点検した。

「それにしてもこの二枚の紙を渡すために壁にひびを入れるとは……経済観念と言うものが無いのかしらね、要さんには」 

 そう言って口に手を添えて笑う茜。その独特のポーズに誠の目が集中する。だが、すぐにいぶかしむような茜の目が突き刺さり誠は頭を掻いた。

「何ですの?神前曹長。私の顔に何かついていて?」 

「いやあ、口にそう言う風に手を添えて笑うお嬢様をはじめて見たもので……」 

 その一言に凍りつく茜。

「ああ、そうね。私もはじめて見たわ……要!いい加減に起きなさいよ!」 

 そう言って転がっている要を蹴るアイシャ。

「……っテメエ等!」 

 要がすばやくアイシャの足を取ろうとするが、すばやくアイシャはその手をかわす。

「じゃあそこの壁の修理に関する書類は実働部隊で作ってシン大尉に出しておいてくださいませね」 

 そう言って扉を閉める茜。

「ああ、どうすんのよ。これ」 

 そう言って壁に入ったひびを撫でてみせるアイシャ。

「大丈夫ですか?」 

 誠はようやく立ち上がった要に手を寄せる。だが、元々格闘戦を前提に製造された体の持ち主である要にダメージがあるはずも無かった。要のにらみつけた先では、継母であるシャムを守って見せたと得意げに彼女に甘えた声ですり寄るだすグレゴリウス13世がいる。

「オメエ等……!」 

 そう言ってシャム達に襲い掛かろうとする要。今度は不意を打てないと踏んだグレゴリウス13世とシャムはそのまま廊下を駆け抜け、実働部隊の詰め所に飛び込んだ。彼女達を追って要が部屋に飛び込む。

 呆然とその有様を見つめていた誠とアイシャとカウラの耳にすぐさま二代目実働部隊隊長に就任予定のクバルカ・ラン中佐の怒鳴り声が響いてきた。

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