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突然魔法少女? 19

「えーと。ロボ、ファンタジー、刑事物と。おい、神前。お前は何がしたい」 

 そう言って振り向く吉田。誠は周りからの鋭い視線にさらされた。まずタレ目の要だが、彼女に同意すれば絶対に無理するなとどやされるのは間違いなかった。誠の嗜好は完全にばれている。いまさらごまかすわけには行かない。

 カウラだが、ファンタジーは誠はあまり得意な分野では無かった。彼女が時々アニメや漫画とかを誠やアイシャの影響で見るようになって来たのは知っているが、その分野はきれいに誠の抑えている分野とは違うものだった。

 シャム。彼女については何も言う気は無かった。シャムのロボットモノ好きはかなり前から知っていたが、正直あの暑苦しい展開が誠の趣味とは一致しなかった。

 そこでアイシャを見る。

 明らかに誠の出方を伺っていた。趣味はほとんど被っている。あえて違うところがあるとすれば神前は原作重視なのに対し、アイシャは18禁の二次創作モノに傾倒しているということだった。

「それじゃあ、僕は……」 

 部屋中の注目が誠に向いてくる。気の弱い誠は額に汗がにじむのを感じていた。

「おい!オメー等。何やってんだ?」 

 突然扉が開いて東和軍の制服を着た小さな女の子が部屋に舞い込んで来た様子を誠はじっと見つめてしまった。

 小さな女の子。確かに120cmと少しの身長の、あらゆる意味で正反対の明石の後任である保安隊副隊長クバルカ・ラン中佐はどう見てもそう表現するしかない外見をしていた。

「悪巧みか?アタシも混ぜろよな」 

 そう言って勝手に椅子を運んできて話の輪に加わろうとする。ランはしばらく机の上の紙切れをめくってみた後、吉田の操作しているモニターに目をやった。そして明らかに落胆したような様子でため息をつく。

「おい、あのおっさん馬鹿じゃねーのか?」 

 吉田に正直な感想をもらすラン。

「それはちょっと言いすぎよ。面白いじゃないのこういうの」 

 そう言いながらランの頭を撫でるリアナ。リアナは保安隊で唯一ランの頭を撫でることを許された存在だった。

「で、シャムが巨大ロボット?そんなもん明華にでも頼めよ。カウラは剣と魔法のファンタジー?ありきたりだなあ、個性がねーよ。要が刑事モノ?ただ銃が撃ちてーだけだろ?」 

 あっさりとすべての案をけなしていくラン。

「じゃあ、教導官殿のご意見をお聞かせ願いたいものですねえ」 

 挑戦的な笑みを浮かべる吉田。ランは先月まで東和国防軍の教導部隊の隊長を務めていた人物である。吉田もそれを知っていてわざと彼女をあおって見せる。

 そこでランの表情が変わった。明らかに予想していない話題の振り方のようで、おたおたとリアナやマリアの顔を覗き込む。

「なんでアタシがこんなこと考えなきゃならねーんだよ!」 

「ほう、文句は言うけど案は無し。さっきの見事な評価の数々はただの気まぐれか何かなんですかねえ」 

 得意げな笑みを浮かべる吉田。明らかに面子を潰されて苦々しげに吉田を見つめるランがいた。

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