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突然魔法少女? 18

 吉田を先頭にドアを出ようとする面々だが、彼らの目の前には一人のライトブルーのショートカットの女性将校が待ち受けていた。

「アイシャちゃん!映画よね映画!凄いの作りましょうね!」 

 完全に舞い上がっている通称『お姉ちゃん』こと運用艦『高雄』艦長鈴木リアナ中佐。その浮かれぶりにさすがのアイシャも呆然と見つめるしかなかった。

「市役所からの依頼か、まあお前達に任せた」 

 そう言うのは『保安隊三大姐御』の一人、警備部部長マリア・シュバーキナ少佐だった。

「じゃあ、お姉さんにはこれ!」 

 そう言うとアイシャは手にした投票用紙を渡そうとする。だが、それは吉田の手に阻まれた。

「何するのよ!」 

「あのなあ、アイシャ。一応、俺等でジャンルの特定しないと収拾つかなくなるぞ。島田とか菰田あたりが整備の連中や管理部の事務屋を動員してなんだかよくわからないジャンルを指定してきたらどうするつもりだよ」 

 そう言うとアンケート用紙を取り上げる吉田。誠はいい加減な吉田がこういうところではまじめに応対するのがおかしくなって笑いそうになって手で口を押さえた。

「あれこれ文句言った割りにやる気があるじゃないの?」 

 そんなアイシャの言葉に耳を貸す気はないとでも言うように吉田は投票用紙を持って自分のホームグラウンドであるコンピュータルームを目指す。吉田が扉のセキュリティーを解除すると、一行は部屋に入った。

「ここが一番静かに会議ができるだろ?」 

 そう言うと吉田は椅子を入ってきた面々に渡す。誠、アイシャ、要、カウラ、シャム、吉田。それにマリアとリアナが加わっている。

「そこで皆さんに五つくらい例を挙げてもらってそれで投票で決めるってのが一番手っ取り早いような気がするんだけどな」 

 そう言うと吉田は早速何か言いたげなシャムの顔を見つめた。

「合体ロボが良いよ!かっこいいの!」 

「それは素敵ね!」 

 シャムの言葉に頷くリアナ。

「お姉さん、こいつが何を言ったか分かって相槌打ってるんですか?」 

 めんどくさそうな顔でリアナを見つめる要。だが、リアナは要を無視してアイシャを見つめた。

「私は最後でいいわよ」 

 そう言って隣のカウラを見つめる。アイシャに見つめられてしばらく考えた後、カウラはようやく口を開いた。

「最近ファンタジー物を読んでるからそれで……」 

 意見を言ってやり遂げたと言う表情を浮かべているカウラ。その瞳が正面に座っている要に向かう。そこに挑発的な意図を見つけたのか、突然立ち上がった要は手で拳銃を撃つようなカッコウをして見せた。

「やっぱこれだろ?」 

「泥棒でもするの?」 

 突っ込むアイシャを睨みつける要。その間にマリアが割って入る。

「アクションか。うちなら法術特捜の茜とかからネタを分けてもらえるかもしれないな」

 にらみ合う二人の間で気を使うマリアに思わず同情したくなった誠だが、マリアはすぐに誠をその青く澄んだ鋭い視線で睨みつけてきた。

『こういう時は僕が間に入れってことかなあ』 

 愛想笑いでそれに答える誠。 

「はい、刑事物と」 

 そう言うと吉田の後ろのモニターに『西園寺 刑事物』と言う表示が浮かんでいた。

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