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突然魔法少女? 155

「おっはよう!誠きゅん!」 

 寮の食堂に足を踏み入れた誠にふざけて絡みつくアイシャ。誠は奥に目をやると一人で味噌汁を啜る要の姿があった。

「昨日は我慢したのね!最後まで脱がなかったし」 

 アイシャにそう言われて昨日を思い出す誠。確かに記憶がすべてそろっている飲み会というのは保安隊配属後は数回しかない。幸いその中のひとつに昨日の飲み会が入っていることは幸いだった。

「そんなえらいなんて……」 

「ご馳走さん」 

 照れる誠と目を合わせないようにして食器を片付ける要。誠が思い返してみると昨日はいつも酒にウィスキーやウォッカを多量に混ぜて誠に飲ませる要が静かにしていたのを思い出した。

「残念だったわね!か・な・め・ちゃん」 

 食堂を出て行こうとする要を生暖かい視線で見送るアイシャ。

「あいつ……義体の再調整が必要なんじゃないか?」 

 入れ替わりに入ってきた勤務服姿のカウラの一言。頷くアイシャだが誠には意味が読み取れない。

「あのー何かあるんですか、要さんの体……」 

 そう言った誠にアイシャが人の悪そうな笑みを浮かべる。こういう時のアイシャとはかかわらないほうが良いと経験で分かっているが、自分が蒔いた種と言うことで逃げるわけにも行かなかった。

「それはね……」 

 アイシャが誠に囁こうとしたところで戻ってきた要がアイシャを誠から引き剥がす。

「なに?私何も言ってないわよ!」 

「来い!良いから来い!」 

 そのままアイシャを引きずっていく要。

「あの、要さんの義体がどうしたって……」 

 食堂のカウンターで味噌汁を受け取っているカウラに話を向ける。

「要の今の義体は新型のモデルなんだ。なんでも生殖機能付きだとか」 

 冷静に答えるカウラ。しばらく誠はその言葉の意味が分からなかった。

「なんかそう言うのが開発されたって記事見たような気がします。子供が出来るんですよね……技術の進歩ですか……それで?」 

 不思議そうにカウラに話を向けていた誠の耳元に人の気配を感じる。

「無粋な奴だな。子供が出来るには何をするんだ?考えてみろ」 

 つぶやいたのは寮長島田准尉だった。そう言われて誠は自分の顔が赤くなるのを感じる。

「つまり……これまで要さんが変だったのは……」 

「生体パーツとホルモンの分泌の相性が悪かったんだろ?西園寺は明日、立山のサイボーグ関連の施設のラボに予約取ってたからな」 

 そう言うとカウラはカウンターの野菜の小鉢を手にとってそのまま要が座っていた場所に腰掛ける。

「この罪作り!」 

 島田はそう言うと誠の後頭部を小突いた。だが誠はいまいちピンと来ずにただ弱ったようにわらうだけだった。

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