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突然魔法少女? 150

「でも本当に何をしていたんだ?」 

 カウラの言葉を完全に無視する要。

 バイザーを降ろした画面には夕暮れの河川敷が写されていた。魔法少女のコスチュームのシャム、小夏、ラン、そして要。その隣には悠然とパイプを吹かしている明石の姿がある。さらになぜかカウラ、リアナ、嵯峨の姿まであった。

「ランちゃん……」 

 夕焼けの中、シャムを見つめて立ち尽くしているラン。手を伸ばされてもしばらく躊躇していた。

「貴様も私も裏切り者ってわけだ」 

 そう言って二人の手を握らせてランを見つめる要。いつの間にかランがシャムと同じ制服を着ていることに気づいて誠は突っ込みたい衝動に駆られながら黙っていた。

「機械魔女が機械帝国に逆らうとは……いつか消されるぞ」 

 ランの搾り出した言葉に要は笑みを浮かべる。

「所詮アタシは機械だ。寿命がくれば壊れるものさ」 

 そう言うと要はランの手を握り締めた。

「よし、シャムだけじゃ心もとないものね!」 

 そうしてその手を上に載せる。

「プリンス!」 

 シャムが誠を見つめてくる。全身タイツの誠もそこに手を乗せた。

「いつか……きっと救えるよ。諦めなければ!」 

 シャムの言葉に全員の決意の表情が画面に映る。それを満足げに見つめる明石。そこで画面が途切れた。

「あれ?これだけ?」 

 シャムは起き上がって吉田を見つめた。

「あっさりしすぎてないか?それともいろいろといじるのか?」 

 シャムを無視して画面を見つめている吉田にランも声をかける。

「まあ、そんなところかな……」 

「なんだよ、これだけならオメエが編集してつくりゃあ良いじゃねえか」 

 ようやくいつもの調子に戻った要が愚痴る。

「さあ、それじゃあ見せてもらうわよ。吉田さんの実力と言う奴を」 

 挑発的な言葉のアイシャだが、吉田はまるでかまうつもりは無いと言うように相変わらず画面を覗いていた。

「そう言えば要はさっき……」 

「おい、カウラ。何も言うな……ってその目はなんだ!アイシャ!」 

 要は再びニヤニヤしているアイシャを怒鳴る。

「寂しいのね、そうなのね、要ちゃん」 

 その言葉を聞くと顔を真っ赤にした要はカプセルから飛び起きた。部屋を出て逃げ出すアイシャ。猛然と襲い掛かる要。

「元気があっていーねー」 

 もはや呆れたと言う状態を超えたと言うようにわらうランの姿がそこにはあった。誠はアイシャと要の行動の意味がわからずに呆然としている。

「何か言いたそうね」 

 顔を出すサラ。誠は頷くが口に手を添えて忍び笑いをするだけでサラは何一つ答えるつもりは無いように見えた。諦めた誠は廊下の外の要の叫び声を聞きながら苦笑いを浮かべていた。

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