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突然魔法少女? 149

「あ!そう言えば小夏ちゃんはどうするの?」 

 シャムの言葉に誠は吉田を見た。相変わらず目の前のモニターを凝視している。

「アイツのボイスサンプルは十分取れたからな。俺が編集で何とかするよ」 

「だったら全員のでやってくれれば良かったんじゃないか?」 

 愚痴るカウラ。誠も苦笑いを浮かべながら一度ヘルメットをしたもののそれを外して起き上がる。

「そう言えば要さんは……」 

 戻る気配の無い要を思い出した誠。その言葉にアイシャとサラとパーラがいかにもうれしそうな顔で誠を見る。

「……どうしたんですか?」 

 明らかに変な妄想をはじめた時の彼女達の輝いている瞳、自然と背筋が寒くなる誠。

「そうだな、西園寺がいないとはじめられないな。アイシャ、呼んで来たらどうだ」 

 こちらも上半身をカプセルから持ち上げているカウラの声。今度はアイシャ達の視線はカウラに向く。三人に浮かぶ明らかに何かをたくらんでいる笑い。

「……気味が悪いな。西園寺が何かやってるのか?」 

「大丈夫。もうそろそろ来ると思うぞ」 

 突然そう言ったのは吉田だった。アイシャが特別うれしそうな顔をする。

「吉田ちゃん!もしかして覗いてたの?一階の北側の女子トイレの奥から二番目」 

「バーカ、勘だよ勘!それにしても細かい指定だな。いるところがわかるならお前等が連れて来いよ」 

 そう言う吉田をパーラが汚いものを見るような目で見ている。

「なんだよ!信用ねえな!見て無いって!女子トイレには監視カメラは無いから。付けてようものなら明華の姐御に殺されるよ」 

「はいはい!わかりました」 

 手を叩くアイシャをにらみつける吉田。

「本当に見てない……あっ来た」 

 吉田の言い訳にあわせるようにいつもよりも明らかにテンションの低い要が入ってくる。そして要は誠を見るなりすぐに視線を落としてしまった。

「ねえ、何をしていたのかな?」 

「テメエにゃ関係ねえだろ?」 

 再びうれしそうな視線を要に向けるアイシャ達。

「あ、こんなところに!」 

 そう言って要のスカートのすそを指差すサラ。要は慌てて視線を落とす。

「なんだよ!何も付いてないだろ!」 

 その言葉に飛び跳ねそうな反応を示す要。誠とカウラはわけも分からず見守っていた。

「あのさー。人数そろったんだからはじめろよ」 

 奥のカプセルからの声。ランが痺れを切らしたのは間違いなかった。

「じゃあ深くは詮索しないからそこのカプセルに……」 

「詮索しないならはじめから言うんじゃねえよ」 

 アイシャの言葉にうろたえて見える要。彼女はなんどかちらちらと誠を見ていた。その頬が赤く染まっているのを見て、誠はいつものように酒を飲んでいたのだろうと安心してヘルメットをかぶりバイザーをおろした。

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