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第四夜

 第四夜、更新しました。

 あだると表現セーフかアウトか……ガクブルしながら投稿です。

 クリスを背負ったまま帰宅した伐。

 明かりも点けずに彼女をソファーへ横たえ、新しい煙草を取り出す。

 一本くわえて火をつけながら冷蔵庫を開け、中身を漁る。

 手に取るのは缶ビール。

 なれた様子で、片手で開け、一口あおる。

「……どうしたもんか」

 窓際まで移動し、窓を開けて枠へ腰掛け、暗い夜空を見上げる。

 ぼんやりと虚空を眺めているのか、それとも夜空の向こうの何かを見たいのか。

 それは、猫自身にもわからない。

 と、人の動く気配を感じる。

 視線を転ずると、金髪の少女が身を起こすところだった。

「……あれ? あたし……」

「起きたか、寝坊助」

 煙草をくわえたまま声をかけてくるノラ猫に身を固くする。

 が、相手が伐だとわかって緊張を解いた。

「……ねえ、伐。あたし、妙な事しなかった?」

「頭の悪い格好で出迎えてはくれたな」

「裸エプロンでは陥落しないか……」

 伐の答えに真剣な顔でつぶやくクリス。

「……何がしたいんだ、お前は」

 クリスのつぶやきを聞いて、呆れたような声を出す少年。

 それを聞いた少女はソファーから這いだして伐の元へ。

「……ねえ、伐。お願いがあるの」

「……あ?」

 真剣な顔で伐を見つめるクリス。

 応じる伐はめんどくさそうだ。

「狂ってない私を抱いて欲しいの」

「……何言ってんだ?」

 クリスの言葉に、伐が目を細める。

 しかし、クリスは構わず続ける。

「気づいてると思うけど、私は、拉致監禁されて、レイプされたの。大体二ヶ月くらい前かな?」

 隅に置かれた卓上カレンダーを確認して言葉を紡ぐクリス。

「その後、二ヶ月間は、色んな男が私を使ったわ。色々なクスリも使われて、理性も意識もトんだままだったし、六、七人同時になんてザラだった。だから私、望んで交わったこと無いのよ……」

「……」

「だから……一度くらい、普通に……。ううん、ゴメン。イヤだよね? ほかの男の液まみれだった女なんて。忘れて」

 泣きそうな顔で離れていくクリス。

 その腕が掴まれる。

「え?」

 彼女の体を引き寄せ、その目をのぞき込む伐。

「……いいぜ、まともかは知らないが、気持ちよくはしてやる」

 言いながら少女の唇を貪るように塞ぐ。

 彼女の頭を押さえ、唇と舌で相手の口を、中と外から蹂躙する。

 と、クリスも伐の頭を抱え込み、男の口を喰らわんとする。

 舌と舌が絡み合い、唇と唇を貪り合い、音と音が混じり合い、声と声が溶け合う。

 どれだけの時間そうしていたのか、どちらからともなく離れる。

「……うまいじゃないか」

「覚え込まされたからね。でも、煙草はやめた方が良いかな? キスが不味くな……」

 最後まで言わせず、少女の唇を喰らっていく。

 そして少年の手が、彼女の背をさすり、臀部を揉みしだいていく。

 少女も、女の動きで己の双丘を擦り付け、押しつぶしながら先端を刺激していく。

 その手が艶めかしく動き、少年の腰を撫でていく。

 二人は行為を続けながらソファまで移動すると、そのまま倒れ込んだ。

 すでに興奮しきった二人は、もどかしげに互いの衣類をはぎ取り、暗がりの奥でとろけ合い、嬌声を挙げていく。

 水気の多い肉と肉の打ち合う音は止まず、荒い息づかいも止まらず、ただただ、互いを貪り尽くしていく。

 部屋の至る所で行為を繰り返し、雄と雌の臭いが混じり合った臭気をマーキングし続ける。

 それは、いつ果てるとも分からぬ泥寧の中を歩み続けるような行為。

 獣のうなり声が絡み合い、肉を打つ音が響く。

 互いの体に傷を付け、臭いを付け、溢れた液を付け合う。

 ぬくもりを求めて侵入し、ぬくもりを求めて誘い込む。

 少年と少女は、いつ果てるかも分からぬまま、男と女の営みに没頭し続けた。




 茜色の光を受けながら、己の腰回りがひくつくのを感じた少年、黒須伐はうっすらと目を開ける。

「……なにしてやがる」

「ふぉあうおうふぁふ」

「くわえたまんましゃべんな……ッ」

「ッ! ン、ック、ック、ック」

 伐が静まり、嚥下する音だけが部屋を支配する。

「……不覚だ」

 不本意そうにつぶやく。それを聞きながら顔を上げた金髪の少女は、両手で顔を拭い、舐めとっていく。

「ふわあ……。ンク、喉乾いたね? 伐」

「おまえも大概自由だな。水道水でも飲んでろ」

 ふて腐れるノラ猫に、金毛の猫が笑う。

「ふふ、じゃあお言葉に甘えて……って、って、って?!」

 固いモノが落ちる音がして、クリスは額から床へダイブした。

「……何してんだ? お前は」

 脱ぎ捨ててあったズボンを引き寄せた伐は、そのポケットから煙草のケースを引っ張りだし、中へ突っ込んであったライターと煙草を一本抜き取る。

 口にくわえたそれに火を点け、軽く吸い込んで紫煙を吐き出す。

「た、たたた。こ、腰が抜けて……」

「……一晩どころか一日半ヤりっぱなしだったからな」

 涙目になって腰をさするクリスをうろんげに見下ろす。

「ぷう。あなたが激しいからでしょ?」

「お互い様だ」

 言いながらズボンに足を通して立ち上がる伐。

 そのままキッチンへ向かい、グラスに水をついで持ってくる。

「ん」

「あ、ありがと」

 しゃがんでグラスを差し出す伐に、礼を言いながら手を伸ばすクリス。

 その手が空を切る。

 伐がグラスを少し遠ざけたからだ。

 半眼でにらみ合う二人。

 クリスが素早く手を伸ばすと伐が遠のける。

「ハッ」

「……」

「ホッ」

「……」

「ヨッ」

「……」

 クリスのかけ声と共に繰り返される争奪戦。

 しかし、腰が抜けていて身動きができないクリスに勝ち目はなく、一連の攻防は、ノラ猫の一方的勝利で終わった。

「もう! 伐、意地悪だ〜っ!」

 半泣きになるクリス。

 それを聞いた伐は、何も言わずにグラスを彼女に押しつけ、ソファーに腰を落とした。

「素直に渡してくれればよいのに!」

 言いながらクリスも動かない下半身を引きずって、ソファへ。

 クリスがグラスに口を付けると、肩に何か掛けられた。

 伐のシャツだ。

「……ありがと♪」

 はにかみながら礼を言うクリスに、伐は紫煙を吐いただけだ。

 と。

「……あ♪ ンン」

 不意にクリスが声を挙げる。

 わずかに頬を上気させ、表情をとろけさせる。

 己の下腹から溢れる感触に身を震わせる。

「この感触……」

「あ?」

「こんなに幸せに感じられるものだったんだね……」

「……ケッ、知るか」

 そう言って伐はソファーにもたれ掛かりながら細く煙を吐き出した。

 第四夜、いかがでしたか?

 二人の空気感が伝わっていれば良いのですが。

 エロ過ぎって怒られないか心配だ……。

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