第十三夜
第十三夜を更新しました。
よろしくお願いします。
「……はぁあ……あふ」
学園の屋上で、段ボールのベッドにゴロリと転がる伐。
欠伸が止まらない。結局、あれから数回ヤって、完徹していた伐。疲労と眠気で授業どころではなく先ほどまで、今請け負っている仕事の依頼主兼パートナーの北丘めぐみの根城でもある保健室で午前中一杯寝ていた。
結局あれ以上の情報はとれなかったらしい。まあ、それでも、叩けば出てくるであろうホコリを精査している所だ。
伐自身はといえば、学園の情報通である青島洋介からの一回目の報告を受けるために屋上で待っていたところだ。
昼休みは屋上も人が居るため面倒だが、午後の授業が始まってしまえば静かなものだ。
ここ最近は学園の名物、生活指導のドン。田所教諭も、あまり見回りに来ない。
理由は簡単。
『沢井っ!! 滝沢っ!! 貴様ら何をやっとるかあっ!!』
『げぇっ?! マフィアボスっ!!』
『逃げるぞ秋人! お前は左に行け! 俺は右に行く!』
『OK! ふたてに別れてまこうっていうんだね?!』
『またんかっ!! この問題児どもがっ!!』
『田所先生! 秋人が向こうで尻を叩いてます!』
『んだとぉっ?! 沢井ぃっ!!』
『太一てめえっ!! 俺をおとりにする気かっ!!』
『待たんかぁっ!! 沢井ぃっ!!』
『なんで俺ばっかり追いかけまわすんすかっ! ドン田所!!』
『田所先生と呼ばんかぁっ!!』
授業中にも関わらず聞こえてくる騒ぎを聞き流しながら煙草を吹かす。
「……やれやれ、おかげで俺がマフィアに追跡されんで済むが、少し騒がしいな」
無感動につぶやく伐。
「(……使えるカードは揃えとくか。いつかどっかで役に立つかも知れんしな)」
少しだけ邪悪に笑って煙草を処理し、意識を落とす。
しばらくしてすべての授業が終わり、放課後になると、やっと待ち人が現れた。
学園内でも随一の事情通である彼、青島洋介。チャラ男でナンパしか頭にないように見える彼だが、こと、女性の情報に関しては、そんじょそこらの情報屋より確度の高い、詳細な情報を集めてくる優れた人材だ。
「遅ぇ」
「わりぃ。トラブルに巻き込まれてさ」
おそらく午後に入ってからあった騒動のことだろう。しかし、伐にしてみれば、あまり関係はない騒ぎだ。
洋介が巻き込まれて、こちらに渡るはずの情報が届かないのは困るが。
「まあいい。で? ネタは拾えたのか?」
「…………抜かりは無い」
伐は洋介の返事を聞いて先を促した。
洋介からの話を聞き終えた伐は、今、作業をこなしつつ、物思いに耽る。
考えるのは情報の内容。自宅に置いている彼女、クリスティーナ=ウェストロードの身辺情報とその家について。
「〜〜〜〜ぁっ?♪ ァッァッァッ!?!?」
「ヒィッ? はぁっ! ひいっ♪」
湿った肉と肉が打ち合う音と、瑞々しい汁に溢れた柔壷に出し入れする音に合わせ、ふたつの悲鳴のような享声が部屋中に響く。なんとも不細工なBGMではあるが、戴くモノは戴いているので、要望通りの作業をこなす。
洋介との話を終え、情報の内容を吟味していた伐は、二人の少女に声をかけられた。
わずかに‘女’を匂わせた雌二匹。よそ行きの態度と喋りで応対すれば、‘客’だとわかった。
なんでも、その手の話に乗り遅れたくないので‘花を散らしたい’らしい。
どこで話を聞いてきたのかは聞かないが、いくつかの約束ごとと前金を確認し、いつものホテルへ連れ込む。
二人一緒なのは、一人では怖いかららしいが、そこそこ金額をふっかけても引かずに金を出してきた辺り、本気らしい。
馬鹿馬鹿しい話だが、払うモノを払った以上は客である。
まあ、サービスとして気持ちの良い初めてを体験させてやることにした。
後のことは知らないが。
散々身体をイジり回し、繋がる前から二、三度上り詰めさせてから交わる。徹底的に達した後で入れれば、痛みなんぞ感じもしない。後は突けば突くほど、イジればイジるほど達するだけ。
初めてでこれほど深く達すれば、満足だろうか? ほかの男に満足できるかは不明だが、「できるだけ気持ち良くして欲しい」との要望を無碍にするつもりはない。
考えごとをしながら作業に没頭していた伐が、気づくと二人の少女は痙攣と空気を取り込む穴の音を響かせるだけになっていた。
涙と鼻水と涎と小水と白濁した分泌液を垂れ流したまま、焦点の合わぬ目で虚空を見る彼女ら。この二人は望んで春を散らした。
だが、彼女は違う。理不尽に押さえつけられ、無理矢理奪われた。
今更ながらに世の中の不公平さを再確認した伐だった。
第十三夜、いかがでしたでしょうか?
伐ならこのくらいは有りかな? と思ったんですがどうでしょう?
伐にしてみても、作業感覚のつもりでしたんで、あまりエロさは追求しなかったんですけど、みなさんはどう思われましたかね?
それでは次回もよろしくお願いしますね♪