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第九夜

 第九夜、更新しました♪

 よろしくお願いします♪

 暗がりの中、湿っぽく荒々しい息遣いが場を支配している。

 一定のリズムで刻まれる、淫猥な音楽に合わせ、獣の唸り声が響く。

 身体の芯に響く律動と、腰の奥から脊椎を駆け上がる大きなうねりを受け、脳髄を焼き尽くされる金髪の少女。

 怒りとも、悲しみとも、喜びとも、楽しみともつかぬ、否、それらを全て、魔女の大鍋でかき混ぜたかのような表情で、少年が作り出す刺激を甘受する。

 しかし、その肢体もまた、少年を貪り尽くさんとうねるように淫媚な舞を舞う。

 互いの身体を貪り合う、野獣のような交わり。

 いつ果てるともなく、若い獣どもの情事は続く。




 シャワーを浴び、こざっぱりした様子の‘ノラ猫’黒須伐。

 手早く身支度を整え、準備を済ませる。

 そんな彼を見て、金髪の少女クリスティーナ=ウェストロードが口を開く。

「伐? 出かけるの? バイト?」

 クリスの言葉を聞き流すように支度を続ける伐。

 一通り準備が終わったところで彼女を見る。

「……ヘルプ入ってくれって頼まれてな。明け方には帰る」

「うん、待ってる。行ってらっしゃい、伐」

 柔らかく笑って送り出すクリス。

 それを受けた伐は、振り返ることもせず、『……ん』とだけ返して出かけていった。




 たった一人残された部屋で、金髪の少女は、ソファにもたれながら、どこからか聞こえてくる、何かをしゃぶっているかのような音をBGMに、ぼんやりと天井を眺めていた。

「……依存……してるなあ。んっ」

 ため息でも出そうな顔つきで呟きながら、頭頂へ抜ける刺激に眉根を寄せ、漏れ出る声を飲み込む努力をするクリス。

 その手は、瑞々しい張りの柔球と、濡れそぼった果実に伸びている。

 まるでクリームケーキに押しつけたように、指が双球へと沈み込み、その形を変形させていく。そして、先端の桜色の領域へと爪を立て、ますます刺激を強めていく。足の付け根から続く唇を指で撫で擦り、歯の無いソコに溜まっているヨダレを掻き出していく。

 その唇の裏を差し込んだ人差し指と中指が裏側を撫で回す度、全身に軽い痙攣が走った。

「はあぁぁ、伐ぅ……伐ぅ……」

 ゆっくりと己の腹の内から膨らんでいく塊を感じながら、少年の名前を呟く。

 徐々に瞳が光を喪っていき、行為に没頭し始める。

「あぁ……欲しぃ……私の隙間……埋めてよぅ……伐ぅ……はあぁぁ……」

 言葉を紡ぐ口腔は、徐々に意味を失いはじめ、その端からは透明な液体が溢れていく。

 腰をもじつかせ、白く柔らかな太股が、絞り上げるように閉じられる。

 手の動きが大胆に、そして乱暴になっていき、己の三つの先端をも刺激していく。指の腹で擦り、手のひらで練り上げ、爪を立てていく。

「キィッ……う、ギッ? ハ、ひぃ……あ?……い……キ……うぁ……」

 雌の発情臭をたちこませながら、たった一人のダンスを踊る。

 泥沼にもがきながら沈んでいくのを感じながら、彼女は自分の意識を落とした。




「……チ、もぬけの空かよ」

「……綺麗に片づけたものだ。とても素人の手際とは思えんな」

 とあるマンションの一室。そこに二人の影がある。

 黒須伐と北丘めぐみの二人だ。

 ようやく見つけた、レイプに参加していたチンピラを締め上げ、監禁場所を突き止めた二人だったが、クリスが逃げ出して数日で引き払ったらしい。

「……盗聴も盗撮の気配も無しか。痕跡を消した上に監視すら置かんとはな」

「そっから足がつくのを嫌ったんだろ? 用心深いこった」

 言いながら鼻を鳴らす伐。めぐみは苦笑いを浮かべながらそれに同意しつつ、中へと歩みを進めていく。

「何か消し残しでもあれば御の字か」

 禁煙パイプを揺らしながら呟くめぐみ。一方、伐はリビングに座り込みながら小さなライトで床を調べていく。

「めんどくせぇな」

 言いながら懐に手を伸ばし、煙草のケースを取り出そうとして……やめた。

「ッ」

 舌打ちしながら調査を再開すると、くぐもったような忍び笑いが聞こえてくる。

「……何笑ってやがる」

「クク……いや、失敬。自制心を働かせることくらいは出来るのだなと思ってな」

「……バカにしてんのか?」

 険の籠もった声を、鋭い視線と共に、めぐみへと放つ伐。

 だが、めぐみはそれすら涼風に満たぬとばかりに受け流す。

「チ……」

 暖簾に腕押しでは意味もない。軽く舌打ちしながら目を落とす。

 と。

「……ん?」

 フローリングと壁紙の隙間に何かを見つける。

「……なるほど、少なくともここに監禁されていたのは確実なわけだ」

 言いながらソレを摘み、切れないように引っ張り出す。

「……何か見つけたか?」

 伐の様子に気づいためぐみが歩み寄ってくると、彼は立ち上がりながら見つけたソレを見せる。

「……あいつが居た痕跡ってところか」

 伐が指で摘み上げて見せたのは、長い金色の毛髪だった。

 第九夜、いかがでしたでしょうか?

 久しぶりにアレのシーン書いたなあ。引っかかんなきゃあ良いけど……。

 それでは、次回もよろしくお願いしますね♪

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