表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
至って普通に生きたいのに  作者: 本丸
少年期(帝国騒乱編)
2/11

2.家庭教師

 今日から、魔法習得への道が始まる。

 どうやら両親は、最初から僕に魔法を習わせるつもりだったらしい。以前、二人が話し合っているのをこっそり聞いたことがある。


「父さん、魔法を習いたい。」


 僕がそう言うと、父は少し考えてから言った。


「剣も習わないか?」


「魔法のほうがいい。」


「魔素の保有量によっては、少しは使えるかもしれんな。魔導剣士を目指すのもいい。どうせなら両方やるのもありだ。」


(大胆だな……さすが大貴族。)


 ちなみに、父――ヒンドスタン=べレックは子爵で、領地経営もうまくいっており、かなり裕福だ。

 母――ワシントン=べレックは元冒険者で、迷宮攻略の功績によって国の中でも名が知られている人物らしい。


 今思うと、かなりいい家に生まれてきたものだ。


(変な争いに巻き込まれないといいけどな)


 ――もっとも、その願いは叶わなかったのだが。

 それはまた、いつかの話である。


 そのとき、家のドアがロックされる音が聞こえた。


 遂に来たか。


 魔法を教える人といえば、だいたいおじいさんかおばあさん。

 剣を教える人といえば、筋肉マッチョ。


 ……そんなイメージだった。


 だが、実際に現れたのは違った。


「坊主、よろしくな。」


「……。」


 一人、めちゃくちゃ怖そうな人がいるんですけど。


 でも、よく見れば筋肉マッチョと爺さん。

 結局、予想通りと言えば予想通りだ。


 父が二人を紹介してくれた。


「こっちがモロッチョ=カンナ。魔法を教えてくれる。これでもかなり腕が立つぞ。」


「よろしくな、坊主。」


「ええー。」


 普通、逆じゃない?


 まあ……いいか。

 爺さんのほうが剣術を教えてくれるのだろう。


「坊主、不満か?」


「い、いいえ。お会いできて光栄です。」


「ほう、礼儀正しいな。」


 父は、もう一人の爺さんを指さした。


「こっちがキシン=タロネン。見た目は怖いが、弟子はみんな優秀だぞ。お前の母さんの元パーティメンバーでもある。」


「本当は来たくなかったが、仕方なく来た。わしを失望させるなよ。」


「は、はい。」


 ……このお爺さん、絶対強い。


 そして次の言葉で、僕は完全に固まった。


「今から試験をする。俺について来い。」


「ええー!? 父さん助けて!」


「そういう約束だ。」


「先に言ってよ!」


「ははは、坊主。これはキシンの弟子になるための試験だ。安心しろ、技術系の試験は出ない。そういうものだと思え。」


 そう言うと、ヒンドスタンは真っ先に逃げた。

 続いてモロッチョも逃げていく。


 それほど、タロネンの試験は厳しいのだ。


 ヒンドスタンもモロッチョも、内心では冷や汗をかいていた。

 果たして、幼児にそんな試験ができるのか――。


 無理だろ。


 父さんもモロッチョさんも逃げてるじゃないか。

 僕、まだ幼児なんですけど。


 親もひどい。絶対、知っててやってるよな。


 できる気がしない。

 いや、流石にそこまで厳しくはないはずだ。


 ……そう信じよう。


 そうして、僕はキシンさんに認めてもらえるのだろうか。


(ははは……流石にそんなに厳しくないよね?)

一日一話のスピードで更新します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
父の名前⋯⋯ 「お父さまー」 「なんだ?」 「お父さまって馬だったの?」 「ぶふぉっ!?」 母の名前⋯⋯名付け主転生者すか? 「母上。どうしても聞きたいことが...。」 「どうしたの?私の可…
とても面白いです。筋肉マッチョの展開には笑った。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ