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至って普通に生きたいのに  作者: 本丸
少年期(帝国騒乱編)
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8.vs魔物ー後編ー

良い子はこの人のようにならないで下さい。

 やったー。

 レベルが上った。

 どんどん殺るぞ。


 あ、鹿発見。

 死ね。

 僕の必殺技を見せてやる。

 炎の斬撃(フレア・レイド)


 鹿の体が一瞬で2つになる。


 どうだ、この威力と速さ。

 これが、魔導剣士(マジックナイツ)の本領だ。

 剣に魔力を込めて、斬撃を放つ。

 カッコ良すぎる。

 あれ、レベルが上がらない。

 弱すぎるのか。


 と、思った次の瞬間。

 木々の中から糸が伸びてきた。

 急いでバックステップを踏む。

 そして剣で切ろうとしたが、剣が糸にくっついてしまった。

 そして、魔道具と剣を持っていってしまった。


(まずい。)


 僕は急いで道に出た。

 その後ろから蜘蛛軍団が出てきた。

 しかも、援軍も呼べない状況である。


 水玉を10個展開して蜘蛛軍団に放つ。

 と同時にゴールに向かって走る。


 いけると思ったとき、身体が急に止まった。

 眼の前を蜘蛛の糸が通過する。


(あぶねー。このスキルあって良かった。)


 それでも状況は絶望的。

 蜘蛛に囲まれてしまったのだ。


 前。

 後ろ。

 左右。


 逃げ道はない。


 ギチギチギチ……


 蜘蛛たちが不気味な音を立てながら近づいてくる。


「くそっ……!」


 剣も魔道具もない。


 完全に素手だ。


 だが、魔法は使える。


 僕はすぐに魔力を練った。


「水玉!」


 空中に水の球をいくつも作る。


 それを一斉に蜘蛛へ放つ。


 バシャッ!


 数匹の蜘蛛に命中する。


 だが――


「効いてない!?」


 蜘蛛は少しよろめいただけで、すぐに体勢を戻した。


 むしろ怒ったように糸を吐き出す。


 ビュンッ!


 反射的に横に飛ぶ。


 糸がさっきまでいた場所を貫いた。


(危なっ……!)


 もし当たっていたら、完全に拘束されていただろう。


 その時。


 背後から気配。


 体が勝手に動く。


 しゃがみ込む。


 ビュンッ!


 頭の上を糸が通り過ぎた。


「助かった……」


 だが安心する暇はない。


 蜘蛛が一斉に糸を吐き始めた。


 網のように空を覆う。


「まずい!」


 逃げ場がない。


 その時、思い出した。


(そうだ……)


 蜘蛛の糸は火に弱い。


 僕は両手に魔力を集中させた。


「火よ!」


 小さな炎を作る。


 まだ初級魔法。


 威力は弱い。


 だが――


 十分だ。


 炎を糸に向かって投げる。


 ボッ!


 糸が一瞬で燃え上がった。


「よし!」


 焼けた糸が落ちる。


 だがその隙に蜘蛛が迫っていた。


 ガブッ!


 牙が腕をかすめる。


「ぐっ!」


 痛みが走る。


 血がにじむ。


 だが毒は入っていない。


「まだ動ける……!」


 その時。


 大きな影が前に出てきた。


 普通の蜘蛛より二倍は大きい。


(ボスか……)


 巨大な蜘蛛が糸を吐く。


 量が違う。


 一瞬で地面が糸だらけになる。


 足が取られる。


「しまっ……!」


 動きが止まる。


 蜘蛛が飛びかかってくる。


 牙が迫る。


(終わった……)


 その瞬間。


 透明な膜が体を覆った。


 ガキンッ!


 牙が弾かれる。


(良かった。結界防御を発動させといて。蜘蛛に噛まれたことから学んだことだ。)


 だが衝撃は強い。


 体が吹き飛ばされた。


 ドサッ!


 地面に転がる。


 息が荒い。


 体力もかなり減っている。


 蜘蛛たちがまた近づいてくる。


(このままじゃ本当に死ぬ……)


 僕は震える足で立ち上がった。


 魔力を限界まで練る。


「燃えろ……!」


 手の中に炎を集める。


 そして地面に叩きつけた。


 ボォォォ!!


 炎が広がる。


 蜘蛛の糸が一気に燃え上がった。


 蜘蛛たちが後退する。


「今だ!」


 僕は全力で走った。


 ゴールの方向へ。


 後ろでは蜘蛛たちが炎を避けている。


 だが完全には止められていない。


 まだ追ってくる。


 息が切れる。


 足も痛い。


 それでも走る。


(あと少し……!)


 森の出口が見えた。


 その瞬間――


 後ろから巨大な糸が飛んできた。


 僕は咄嗟に横に飛ぶ。


 糸が地面に突き刺さる。


 もし当たっていたら終わりだった。


(危なすぎるだろ……)


 それでも僕は止まらない。


 ただひたすら走る。


 蜘蛛軍団から逃げるために。

わあー、カッコいい。

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蜘蛛強いな。
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