下弦の月。
うっすらと見えた下弦の月と 外套が物悲しく思えた
足元からじんわりと冷たくなる わたしは煙草を吹かす
片道凡そ 七時間ほど費やして 対面した表情には
なぜかやりきった感があって ただちょっぴり羨ましくて
だがまだ歩いたばかりで ただまだまだ歩き足りなくて
たかだか20年そこらを過ぎただけで それで良いのかよ
そんなにあっさり見切って良いのかよ なあ 聞いてるか
お前を愛するひともいる 家族もいるのに
ただ 下弦の月を見上げ 煙草を吹かす
明日は朝早くに病院に向かってから、それからのことを決めます。




