ケチャップ
私は、上浦栞。20歳。
ヨシトくん。ヨシトくん。
私は、ヨシトくんが大好き。
ヨシトくん。ヨシトくん。
今日は土曜日。
ヨシトくんのお家に行く日。
ヨシトくんのお家にお泊りできる日。
ヨシトくん。ヨシトくん。ヨシトくんが大好き。
ヨシトくんのアパートに着いちゃった。
ドキドキする。ワクワクする。
ヨシトくん。ヨシトくん。好き。大好き。
ヨシトくんが私の為に借りてくれた駐車場は、ここだよね。嬉しいな。私の為の駐車場なんて。
ヨシトくん。好き。大好き。
私は、駐車場に車を停めて、ヨシトくんから貰った合鍵で玄関の扉を開けるの。プーさんのフィギュアがついた合鍵は、私だけのものだよ。
ヨシトくんのいない部屋。私はヨシトくんの部屋に勝手に入れるんだよ。私は深呼吸をする。タバコ臭いな。汗臭いよ。もう1度深呼吸。この匂いは私だけのもの。ヨシトくん。ヨシトくん。ヨシトくん大好き。
へへへ。栞、料理の用意もしてきたんだよ。ヨシトくんは、オムライスが好きなんだよね。へへへ。ヨシトくんは、栞のオムライスが1番美味しいよ。って言ってくれるよ。
へへへ。オムライスの中に入れるチキンライスの、玉ねぎを大きめに刻むのがコツなんだよ。トントントンっと。
アレレ? 私のオムライスが1番って、他にオムライスつくってくれる人がいるのかな?
ピンポーン。
玄関のチャイムが鳴った。
「ヨシトー。居るー? アイコだよー。私、合鍵なくしちゃってさー。あのプーさんの人形がついたやつー」
アレレ? 栞、困っちゃたな。ケチャップは持ってきたのにな。




