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フォニックス 白雪の戯れ  作者: ことこん
第十三章 After two years
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プロローグ 牛たちとの邂逅

 ライトだ。


 本当に残念な事に、大会は中止になった。

……世界的な戦争によって。


 だが、俺たちは帰ることすら出来なかった。

兎の国は中立国であるため、戦争中は国境を封鎖するんだとか。

 本当は、帰りたくて仕方がないけど……どうしようもねーな、こればっかりは。


「フォニックスはここで匿えるけど、君たちを入れる程の余裕は無いよ」

フィラの言う通り、もう一組取り残された。

牛の国の戦闘集団だ。

「良いんだ、私たちの事は気にして貰わなくて良い。

アンタらに頼むのは、リーダーが嫌がるだろうしね」

と、メンバーの一人がフィラに返答する。

「私はランチャ。

この国に留まらざるを得ないなら、いつでも頼って貰って良い」

「そう」

相変わらずそっけなさすぎるぞ、フィラ。

一方当の「リーダー」はと言うと、兎の方のリーダーと一緒に部屋に入ってしまった。



 「……久しぶりだな」

相変わらず、バロンは頷くだけ。

さては、久しぶりすぎて緊張してるな?

いや、消えた俺への怒りか?

「あれから会って無かったからな。

無理に話せとは言わないが、そんな状態で戦士を続けて大丈夫なのか?」

バロンと俺は、元々軍人だった。

前衛隊として、死ぬはずだった存在。

幸か不幸か。

運命は俺たちを生かした。

しかし、バロンは大怪我を負ったし、俺は故郷を失った。

「……大丈夫や」

今でも、バロンの傷は痛々しい。

右腕は木の根で補填し、右目は、前髪で隠しているが、既に失われているだろう事が目線でよく分かった。

「それより、どこおったんや」

「……俺は川に流されたからな」

「……そうか」

互いにスローテンポで言葉を紡いでいく。

「結局、俺たちだけか?」

「ハクムは、いてる」

そうか、やはり、そうだろうな。

あの人は、もういないよな。

「バロン」

「なんや」

「前みたいに、並んで話しても良いか?」

バロンは黙って頷いた。

客用のゆったりとしたソファに大男が並んで座れば、横幅が全然ゆったりしない。

丁度バロンから見て右に座ってしまったので、バロンは首を回してこちらを見る。

「向き、代わるか?」

「ええ」

こう言う時のバロンは強情だ。

どうやら絶縁状態の兄も相当なおせっかいらしく……。

「俺しかいないし、もっと崩して良いぞ」

「ええええ」

「……」

バロンは俺よりもデカいし、ガタイも良い。だが、何というか……うん……。

バロンは唐突に口を開く

「呼び方」

「名前はもう捨てたが、新たにつける気もしないんだ」

「……」

ただしっとりとした時間が、緩やかに過ぎていく。

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