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フォニックス 白雪の戯れ  作者: ことこん
第十二章 ショクザイ
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第五部 嘘つき

 よっす、セグリアだ。

最近、各国の緊張の高まりを受け、家族は余り集まっていない。

まぁ、私は今のんびり茶を飲んでいるが。

執事以外には誰もいないし……退屈だ。

『おーい』

突如、謎の声が聞こえる。

「誰だ」

しかし、人ではないのか?パターンが読めない。

『君がセグリアだよね?』

「何で知ってる」

やけに明るい口調が逆に不気味だ。

『いやー、本当はもっと早く話したかったんだけどね』

馴れ馴れしい。全く知らない声なのに。

『警戒しなくても、ボクは君に何か出来るわけじゃないからさ!

ただ、君に聞きたいことがあってね』

私の声など全く聞かず、話し続ける。

『君、見えてるんじゃないの?』

「……何が」

『最悪のパターンを』

全て、見透かされているというのだろうか。

私の能力、“パターン”は元々、相手の動きを読むための能力じゃない。集中力が必要だから。

様々な未来のパターンを見つけることのできる能力。

起こりうる最悪を回避するために、一つ一つの行動を選択しなければならない能力。

『だからさ……それを回避するのに、協力してくれない?』

「……お前に何の得がある」

『…………さぁ?何でだろうね?』

不思議と、その瞬間だけ人間味があった。

「正直、正体も知らないお前に全面協力することは出来ない。

だが、能力を使いたい時だけ来い。

私も……この未来が変わるならそれが良い」

『うん♪ありがと♪

じゃあ、まったねー』

結局は軽妙な口調に戻ったが、あの一瞬の沈黙はどう頑張っても誤魔化せないと思うが。






「…………そう……だね…………

ボクは、ぼくは、わたしは、ワタシは、私は…………

一体、どうして……

コンナニモ……

彼らヲ、救いたいんダ?」



「私……?

おかしいな、ボクに潜在意識なんてあったっけ?

……もしかして、ボクも二人で一つ、なのか?」


 

 ……昔、それこそボクが神となる前。

誰かの歌声を、聞いていた気がする。

美しくはないし、何なら音を外していた。

でも、覚えてるんだ。

忘れられなかったんだ。

……鈍臭いし、忘れっぽいし、放っておけないあなたの。

……そっか。私、元々“いないはずの存在”だったんだ。

最初から、……時の館の主人の一部として。

だから、私たちはやたらと時の館の主人に出会ってたんだ。

あーあ、気付かないままだったら、どんなに幸せだったろう。

私は、プロットを知ってしまった。

あなたが離れていくことを、知ってしまった。


どうやら、私が、一番の嘘つきだったみたいだ。

一番憎んだ相手だったみたいだ。

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