表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
フォニックス 白雪の戯れ  作者: ことこん
第二章 天才、それは無限の道
6/42

プロローグ 止められるものなら止めてみろ

 どーも。フウワだ。

私たちはボスらしき人物の所まで辿り着き、点いた照明によって姿も拝むことが出来た。

服装は一般的な普段着だったが、明らかにシンよりも年下で、真っ白な髪や毛、その中で異彩を放つ真紅の目。

「俺を倒しに来たのか!」

と耳をつんざく様な大声で質問したかと思うと、一瞬で蹴りが飛んできた。私はそれを左腕で防いだが、当たった部分が熱い。

「おらっ!」

今度は右に来そうだったので、テールハンドで防いだ。そいつは悔しそうに地団駄を踏んでいた。

かと思うと、今度は高速で連続蹴りをかましてきた。

段々テールハンドが消耗して来て、遂には先端が千切れてしまった。

「見た目の割に、やるな、お前」

「お前じゃねえ!ゼノだ!」

ゼノ。様々な意味のある言葉だ。まぁ、どの意味から付けられたのかは別に知らなくても良いが。

とにかく、ゼノは蹴りだけで私だけでなくライトやエントも同時に相手にしながら互角に戦っていた。

「もっと頭使え」

その時、シンが黒い手でゼノを拘束した。

「要らねーよ!そんな事!」

しかし、ゼノはするりと蛇のように抜け出してしまった。

「なっ……」

シンがこんなに驚いている顔は中々珍しい。

「俺を止められるもんなら止めてみろ!」

と言ったゼノの頬を、スインが放った弾丸が掠った。

「危な!」

しかし、感情が態度に出やすいタイプの様だ。まぁ、ガキだしな。

「ここか!」

ゼノが蹴りを入れた所には透明になっている筈のスインがいた。ゼノの蹴りはアインが受け止めた。

私たちの特殊能力が全然通用していない。このままでは、負けてしまう……じゃないな。ソウマだって、命懸けで終わらせに行ったんだ。私たちが一人のガキに負けました、なんて、許せる訳ないだろ!

私はゼノと同時に蹴った。お互いの脚がぶつかり合うと、鈍い痛みが脚に残った。

「お前の蹴りは、こんなもんか?」

でも、こんなの、ソウマが、いや、ソウマたちが負って来た深い傷に比べれば……!

「戦士、舐めんじゃねぇ!」

私は気付けば空高く跳び上がっていた。しかし、それで良い。

「ブローバースト!」

私は自分でも驚く程高速で地面まで突っ切った。


 私が立ち上がると、技を受けたゼノはゆっくり立ち上がりながら私を見つめた。

「なんだよ」

ゼノはポツリと呟く。

「さっきの技、なんだよ!俺が力で負ける訳無い!」

と私に詰め寄るが、突然、

『俺に代われ』

と声がしたかと思うと、急に目つきと声が変わった。

『久しぶりだな、フォニックス』

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ