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フォニックス 白雪の戯れ  作者: ことこん
第十二章 ショクザイ
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第四部 marionette

 雨の降る音だけが、血生臭い街から聞こえている。

私たち三人は濡れに濡れ、今更雨宿りは無意味であった。

「そう……ですね」

ストキは、本人してみれば残念な事なのだろうが、父によく似ている。特に、その瞳。

「やっぱり、ギルドを生き返らせるのは……本人も嫌でしょう。

これは私が引き受けます」

だが、彼とは明らかに違う光を宿していた。

その返事を聞くと、イネイはいつもの雰囲気に戻った。

「ストキ様ならそう言うと思って、予め分けておいたんです」

と、2本目の糸を手繰り寄せる。

……何の妖気も感じないが、確かにそこにあった。

これが、本来のギルドの魂なのか。

「……ありがとうございます」

ストキは他方の魂に触れる。

すると、それは吸い込まれていった。

「彼女が抱えた苦しみを、代わりに背負うこと……以前の私には出来ませんでしたから」

愛か執着か。

どちらでも良いだろう。

この日、ギルドは死んだ。

その事実は、少なくとも私たちにとっては、大きなものだった。


 「彼女の為にも……お二人には全てをお話ししましょう」

と、ストキからギルドの秘密を聞いた。

ギルドは、かつて狐の国を滅ぼしかけたキルラであること。

彼女を殺せば魂たちが解き放たれる為、こっそり匿ったこと。

不覚にも、彼女に惚れてしまったこと。

そして、クラキとして生かすことを決めたこと。

クラキは働き者で、ギルドとして王の側近も警察官も務めたこと。

ギルドは最近、体調が優れなかったこと。

「私の至らなさです、全て。

最初から、自分がこうやって受け取っておけば、誰も悲しまずに済みました。

本人も苦しまずに済みましたが……これは嫌がるでしょうね。

最期まで……贖罪に拘っていましたから」

力による暴走。

私たちとて、他人事ではない。

特にギルドは、狭間の世界に行かず、彷徨う魂たちの集合体に取り憑かれた結果だ。


流石の私も、プロットに拘ることは出来なかった。





 「まずは一人目、かな。

おかしな話だよね!

目の前に転がってる情報が、本当だなんて確証はどこにもないんだ。

こうやって、周囲を欺けちゃうんだからさ!

──本当に、不愉快だよ。

イネイは、何でそこまでして、「真実」に拘るのかな?

見せかけの“真実”なんて、人を見下す材料にしか、ならないじゃないか。

傷口を開いて暴いた“真実”は、誰も幸せに出来やしない。

分からない、分からないよ。

一時の思いつきにしては、巧妙すぎる。

ボクよりも前に、準備していた?

一体、君は何者なんだ?

イネイ」


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