第二部 guilt
午後。
私は街の警察署に足を踏み入れた。誰もいなかった。
と言うと語弊があるな、
正確には、誰も生きていなかった。
警察署の入口には、隠蔽の為か『本日休業』の札。
「成程。やはり、四度目の出会いとは行かなかったか。
私はつくづく四という数字に嫌われている様だ」
ふんふふ〜ん♪
初仕事、いっちょあがり!
『お疲れ様〜。ちゃんと殺してくれてありがとー♪
これで、奴は動かざるを得なくなったし。
流石、二千人くらいの妖力を結集させただけのことはあるね〜』
この姿になってから、ボクは時の館の主人様の声をずっと聞いている。
父さんの命令を聞くことは、多分もうない。
「ありがと。
ねぇねぇ〜スインちゃんどこにいるの?
向こうに行っても、妖気感じなかったんだけど」
『それがね〜ボクも分かんないんだ。
てっきりあっちにいると思ってたんだけどなぁ』
「困るなぁ。
これじゃ折角働いたのに、タダ働きじゃん!」
『えへへ。言うと思った。
でも、ボクも探せない訳じゃないからさ……。
キミが今から言う人たち全員を殺してくれたら、教えてあ・げ・るっ♪』
「約束だよ?」
『もっちろん!
ボクはキミが作り物だからなんて理由で差別したりしないさ!
こーゆーのは、ビョードーじゃなきゃね!』
「分かった!じゃあ、ボク頑張るから!
ちゃんと見て、教えてね!」
今日も修行だ!
俺、ライトは休憩時間に携帯を開ける。
あれ?なんかギルド様から伝言が?
『ライトさん。よく聞いておいて下さい。
こちらにはお構いなく、ちゃんと強くなって……そうですね、エムルを倒せるくらいには。
一年と言いましたが、二年そちらにいて下さい。
情けない事に、私はあなたたちがこの街に居ない事、案外寂しく思っていた様で。
……多分、私はあなたたちに相当厳しくして来たかと思います。嫌われていても、文句は言えませんね。今更ですが。
何を言ってるんでしょうね。多分、私疲れてます。
これから先、あなたたちは辛いことに直面するかもしれません。
もしそこに私がいなくても、あなたたちは頑張れる。そうでしょう?
だから、どうか歩みを止めないで下さい。
バラバラになっても、フォニックスという場所で出会った事を、それぞれが誇りに思ってくれたなら、こんなに嬉しいことは無いでしょう。
最後に。
私は昔、償いようも無い罪を犯しました。
十分な贖罪が出来たなんて、これっぽっちも思っていませんが……あなたたちが大きな声で誇れる上司でありたかったです。
さようなら。ありがとう』
長い様で、短いメッセージだった。
俺は、なんとなく、これを誰にも言わないでいてしまった。




