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フォニックス 白雪の戯れ  作者: ことこん
第十一章 交差する人生
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第二部 常識

 どう挨拶すれば良いのか分からんが……リーダーだ。


 予定では既に修行を始めている筈なのだが、ゼノ……君付けの方が良いのか?は一向に部屋から出てこない。

困った。昨日は結構楽しそうに絵を描いていたんだが……。

「入るぞ」

仕方なく、ノックをしてから入った。すると。

どうやら寝るまで絵を描いていたらしく、椅子に座ったまま寝ていた。

風邪を引いていないか心配しつつも、少し揺り動かす。

「ん……」

ゆっくりと目を開け、伸びをする。

そして、俺を見……飛び起きた。

「なんでここに来てんだよ!」

ゼノは一回のジャンプで部屋の隅まで行った。

「いや、驚かせるつもりはな「うわっ、今9時!?」

ゼノは俺をスルーして部屋を出て行った。

「……」

慣れたと思ったが、やはり子供というものは難しい。


 ゼノが身支度を終えると、俺は空間術でゼノをすっぽり覆い、外へ。

「うわっ、これ何だ?なんか纏わりついて来るぞ!」

と動揺し、なんとか振り解こうとしている様子すら。

昔のあいつらが思い出され、微笑ましい。

「大丈夫だ。ただの日除けだ」

と答えるも、ゼノは依然として疑念の目を向けている。そりゃそうか。

「実際、外にいても平気だろ?」

「……まぁな」

そのまま黙って歩き始めた。

これがいわゆる反抗期なるものである事は、セイの時によく分かったからな。

今更不安になったりなどしない。決して。絶対に!


 ようやく着いたのは、山奥の洞窟。

ゼノは、まるで当たり前の様に洞窟の地面に座り込んだ。

「せめてレジャーシートも引くか?ズボンが汚れるだろう」

ゼノはキョトンとした顔でこちらを見ている。もしかしたら、レジャーシートに馴染みが無いのか?

試しに引いて座ってみるが、こちらに近付く様子はない。これ、単に俺が嫌われてる訳じゃないよな……?

「良いのか?」

と問うても、ゼノは首を傾げるだけだった。

「なんでいちいちそんなの敷くんだ?」

その時、少し分かってしまったかもしれない。

洞窟に直接座ったり、寝転んだりするのが、彼の常識であるということに。

「まぁ、一旦こっちに来い。弁当、食べるぞ」

というと、普通にやって来た。

「この上に座れば良いんだな?」

「そうだ」

「なんでだ?」

「……洞窟は慣れているか?」

「住んでたからな」

あまり深追いはしない方が良い、か。

日に当たれない体質というのもあるだろうが、視界に入ってくる真紅の目。

一昔前ならば、捕らえられ殺されていた筈だ。

だから、仕方ない……といえば仕方ないのか……?

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