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フォニックス 白雪の戯れ  作者: ことこん
第十章 差
50/51

第五部 真

 その後、なんとか振り切ったが、翼が若干焦げている。問題は無さそうだが。

「にしても、すごい雷だったな」

「んーまーねー。確実に王族の血は引いてるでしょ」

「……やっぱり、王族の方が強いもんなのか?」

「そんなことはないよ。鍛えた時の成長速度が違うってだけ。だって技神にも王族じゃない人がいる訳だし」

「……」

それでも、腑に落ちない。ずっと考えていたことだが、どうして、こんなにも違ってしまうのだろうか。

「というか、才能の面で言ったら、フォニックスたちはそこまで高く無いでしょ、一部を除いて」

「まぁ、それはそうだが」

「それでも、ここに来て修行してる。これが答えなんじゃないの?」

「……そう、なのかもしれないな」

まぁ、そういう事にしておくか。

「さっきから随分と素直じゃん」

「こっちは結構真剣に答えてるんだが」

「あ、そうそう」

「?」

「教えなかったらやらなくて済むのかもしれないけど、シン君自分で気付きそうだから言っとくね」

「何だよ」

「確実に強くなれるけど、確実に破滅する方法」

「……そんな奴……いる……な」

「見たことあるの?」

「ああ……」

俺はざっくりとレナのことを話した。

「うーん…ちょっと違うかも?」

「何が違うんだ」

「オレの想定してたのは“契約”で強くなるパターン」

「契約?」

「そそ。詳しい事は知らないけど、“脚本家(プレイライター)”と契約を結ぶらしい」

「で、内容はどんなのなんだ?」

「その人にとって一番大切なモノ。でも、自分以外はダメらしい。自分の寿命とか、体の一部とか」

「……契約した奴って見ただけでわかるのか?」

「分からないらしいね。ただ契約で手に入れた能力を使う時、妖気が黒く染まるお陰で見えるらしい」

「本当に、禁忌の術、って感じだな」

それにしても、脚本家?なんでそんな、劇みたいな……。

「そそ。お、そろそろ家だ」

脚本家がいるってことは、当然大道具や小道具を作る奴、照明係、演出家、プロデューサー、勿論演者……実際の劇はもっといるのかもしれないが。

じゃあ誰が誰なんだ?


俺は演者という自覚なしに演者をやっていて、これは、この世界は全部……


劇なのか?


「着いたよー」

誰かが、これを客観的に見てるって事か?喜劇として、あるいは悲劇として。

だとしたら、俺の感情すら作り物で、見透かされているのか?

「なぁ、どこにいるんだ?俺たちを見ている奴は」




「すべての人間の一生は、神の手によって書かれた童話にすぎない」

ハリス・クリスチャン・アンデルセン


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