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フォニックス 白雪の戯れ  作者: ことこん
第十章 差
49/51

第四部 それでも

 「……何でそんな事が言えるんだよ」

ニアは少し間を開けると、また口調を変えて話し始めた。

「ソウダネ。コノサイ、ボクノトクシュノウリョクヲオシエテアゲル」

ニアはまた間を開ける。もしかして、こいつの能力って……

「ジブンの特殊能力は“コピー”。その代わり、こうやって多重人格が無限に現れるという訳です。お分かり頂けたでしょうか?」

つまり、ニアにとっては“自分”という定まった存在は無くて、「俺」とか「私」とかの人格たちが入れ替わり立ち替わりして一人の人間として成り立っているのだろう。

もっと平たく言えば、ニアの中には色々な性格の奴がいるって事か。

「まーで、今はちょっとは調節できるようになった訳なんだが、気を抜くとこうやって色んな奴らが押し寄せて来るんだな、うん」

なら、あの独り言は何とか狙い通りの性格、つまり特殊能力を引き出そうとした結果という訳か。

「これがいつもの俺かな。こうやって、色々ごっちゃになっても案外元の自分は忘れないから大丈夫だよー」

「それを信じられる程俺が能天気なやつに見えるか?」

「いいや全く?」

「おい」

「あはは。でも、いきなりこんな事実をこのタイミングでぶっ込んだのは謝るよ」

とニアが丁寧に頭を下げる。

「……別に、いつかは知る事になっただろうし、手遅れにならなくて済んだし。ニアが謝る事じゃない」

「……なら、良いんだけど」

帽子を被ってないから、いつもより相手の顔がよく見える。その瞳も。

「ニアって、珍しい目の色してるな」

「そお?」

「何ていうか、色が散りばめられてるというか……。何だっけか、プラネタリウム?みてーな……」

「随分とセンチメンタルな事を言うじゃーないか。ありがとな、そう言われるのは初めてだ」

……若干キザったらしくなったか。

その時、ニアの表情が急に険しくなった。

「……今すぐここを離れよう」

その時、先ほど感じた拒絶の妖気が近付いて来ているのを感じた。

俺たちが二人で飛び立つと、その妖気が近付いて来る事は無かったが、雲行きが一気に悪くなり、雷雨になった。

「破壊神程じゃないけど、こっちも大概化け物だねぇ」

ニアは翼が消えたが、それでも飛んでいる。ツーハのをコピーしたのか。

「気をつけてね」

「ああ、というか、そうしないと殺される」

雷が普通ではありえないほど大量に降り注ぎ、空の暗さを忘れる程だった。

勿論、それらの向かう先は全て俺たちだが。

当たれば終わりそうな威力だが、避けるのは難しくない。

 今週の投稿、非常に遅くなってしまいました。

申し訳ございません。

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