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フォニックス 白雪の戯れ  作者: ことこん
第九章 破滅の光
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第三部 ふたりの世界

 「はぁ?」

あり得ないだろ!なんでわざわざ飲み込まれに!?

俺は慌ててツーハに続いた。


 なんだかヌメヌメしていて、筋肉の動きで奥へ奥へと押されていくと、ツーハを見かけたのでそこに足の爪を突き刺し留まった。

「お前な!こーゆー事やんなら事前に教えろ!」

「じゃあ、今言う」

「は?」

「ここからこうげきする」

次の瞬間、ツーハが煌めいた。またあれか?

俺は思わず目を閉じた。


 気づけばウナギはツーハのいたところを中心に砕けていた。

俺は眠っているツーハを見つけたので、そのままおぶって帰ろうとしたが、すぐに起き出した。

「んー」

「おい、大丈夫か?」

目覚めたツーハはケロッとしていて、すぐに飛び始めた。

「だいじょーぶ」

こんな様子を見る限りは、普通の少女だ。それは間違いない。

でも、あまりに力を持ちすぎてる。家柄か、才能か。どちらにしても、何か引っ掛かりを感じるし、この力を野放しにしておけない。

「どーしたの?」

子供だからか、こいつだからか。比較対象がいないから分からないけど、心の機微に鋭いみたいだ。


 まぁ、大人に警戒されながらの子供時代なんて、味わっても何にもならないしな。とりあえず、こいつの前では考えないようにしよう。

でも、警戒を解いてそれこそ市街地で暴れられるのは困る。特に本人が。

「ツーハ」

曇りを感じさせない瞳がこちらへ動く。

「ん?」

なんだろうな、話しかけたら絶対に返してくれる気がする、この信頼感というか、安心感?全世界の人間がこんな態度で接し合えたら、多分争い起きねぇな、って感じ。

「どしたの?」

「……敵わねぇな」

俺がそれだけ言うと、ツーハは首を傾げはしたがそれ以上何も聞かなかった。本当に、鋭い奴だ。

でも、このまま黙って歩くのも性に合わない。かと言って、あんな話の切り方をしてしまってなんだか気まずいな……。

やっぱ、こう言う時は……。

「どっちが飛ぶの速いか、勝負しねぇか?」

ツーハの目が光り輝く。

「うん!」

多分、飛べる人も少ないからこうやって競う事も無かったんだろうな。

俺とツーハは目視で横一列に並ぶ。

「位置について」

俺は翼を出す。

「よーい」

ツーハは空を見つめる。

「ドン!」

俺たちは同時に飛び上がり、同じ高さで前進し始めた。

その日は、多分俺の人生の中で一番楽しく飛んだ日だった。


 一方。暗い部屋に、猫の王、ギーヨが一人。

ギーヨは読んでいた分厚い本を閉じると、静かに部屋のドアを開け、ネクタイを正した。

「ここが、正念場ですね」

 お久しぶりです。ことこんです。

まずは、何の説明の無い突然の休載にお詫び申し上げます。もし打ち切りを心配された方がいらっしゃったのであれば、大変申し訳ございません。


 ここ半年程は、私事で休載させて頂いておりましたが、再開という形にさせて頂きます。しかし、以前よりは投稿ペースが落ち、おそらく週一で不定期な投稿となってしまうと思います。ご了承下さい。


 フォニックスシリーズは、五つの編を予定しており、ようやく折り返し地点に達しようとしています。最後までお付き合い頂けるとありがたいです。


 最後に、最初の「運命の始まり」編のPVが一万、ユニークアクセスが五千を突破した事の感謝を述べさせて頂きます。









 ”時の館の主人“の正体、分かりましたか?

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