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フォニックス 白雪の戯れ  作者: ことこん
第九章 破滅の光
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プロローグ 煌めき

 よう!俺は守護神と呼ばれた男!レオンだ!

……なんでツーハじゃなくてこの俺かだって?それはまぁ……ツーハだとちょっと平仮名が多くなるからじゃね?


 俺はツーハと洞窟にやって来た。洞窟と言っても、ちゃんと整備されている。

「ねーねー。どこ行くの?」

とツーハは聞いてくるけど、

「着いてからのお楽しみだ」

そのまま洞窟を歩いて行くと、その地下にそれはある。“ミフューの帽子屋”。その店はドアなどなく、洞窟の一角を帽子で埋め尽くしている。そんな帽子の壁たちを迷路のように進むと、ようやくこの店の店主、ミフューが現れた。

「らっしゃーい。丁度お得意様が帰ってったとこだから、注文オッケーよ。する?」

ミヒューという名前すら本名かどうか分からず、クオのような掴みどころの無さはあるが、実際、頼りになるから今はそれでいい。

「ああ。こっちのが」

「ツーハ!私はツーハ!」

流石にこっちの呼ばわりは駄目だったらしい。


 ミフューが帽子たちから離れると、ツーハもその向かい側に移動した。

「さーてーと。お弟子さんを自分で教えるのが筋だとは思うけど、お金はもらえるからいっか!」

「俺は技関連は教えられないんだよ!」

口から出すことは出来ても他は出来ない。

「こんなレオちゃまは置いといて、始めましょうか」

嫌味ったらしいが、最近は慣れて来てしまっている。フィラだって近い所はあるし。

ミフューは糸を巧みに操ってツーハを捕えようとするが、ツーハも巧みな飛行で避ける。

「今回の目標はあなたの技よ。早く出してご覧なさい」

ミフューは一本だけだった糸を十本に増やし、ツーハは逃げ場を失った。

「わわわわっ」

ツーハは焦って自分を光らせたが、糸相手じゃ意味はない。本当に反射だろう。糸がツーハの腕を縛った。足も同様に。身動きが取れなくなるのも時間の問題だろう。

と思っていた。俺は、この少女のスペックを少々舐めすぎていたのかもしれない。

ツーハが洞窟全体を照らす程の輝きを一瞬放ったかと思うと、糸は全て灰になり、ミフューはツーハに肩を掴まれていた。

「……驚いた。まさか、ここまでとは」

ミフューは戦いをやめた。

おそらく、今のは炎技だったのか。一瞬の光が眩し過ぎて何も見えなかった。仮にハーフでも、複数の属性の技を同時に出すのは相当難しい筈だ。だったら光って燃やしたのか?

ガキだと思ってたのに、今ははしゃぎもせず負かした相手を見つめている。なんていうか、フィラに似ている気がする。

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