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フォニックス 白雪の戯れ  作者: ことこん
第八章 サポーターの極意
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プロローグ 人形師

 アインです。

私は、何処かへ連れて行かれたみんなとは違って、師匠、ドラセナさんと二人で本拠地に残りました。

「さてと。僕らも始めようか」

と言いながら取り出したのは、リバーシ?一体、なんの関係があるのだろう。

「リバーシのルールは知ってる?」

「はい」

ドラセナさんは丁寧に準備をしていく。指先まで張り詰められたように力が入っている様で、動きはしなやかだ。

「じゃあ、黒は譲ります」

「え、いいんですか?」

「はい。その程度のハンデなら、作戦に狂いはありません」

その後、私は死角から良い所を取られたり、誘導させたりで、惨敗した。

「どうでしたか?」

「完敗です……」

「貴方はサポーターだとお聞きしましたので。丁度良いかなと」

「それは、次の手を読む力ですか?」

「正確に言えば、味方の手も敵の手も全て読み、どうすれば勝利に辿り着けるのかを考える力、ですかね。勿論、初見の相手はどんな手札を持っているか分かりません。そこを埋めるのはパターン化です」

「パターン化?」

「その人の挙動、口振りなどで性格の目星を付け、耳の色で属性、筋肉のつき方でバトルスタイルを知れば、あとは自分の知識によって割り出せるようにすることです。外さないわけではありませんが」

「成程」

「あくまで持論ですがね。自分は非力ですので」

なんてさらっと自虐してみせるドラセナさんだったが、何とも思ってない訳じゃないだろうに。

「これはあくまで一例です。サポートする相手によって得て不得手も変わりますし」

「いや、やってみたいです。私は今やれる事は全部やっておきたいんです」

自分の方針を決めるには土台が出来て無さすぎる気もするし。逆に、こうやってすんなり変えられる今が一番幸せなのかもしれない。

「そうですか。じゃあ、あなたの目標はこれで勝つ事です」

「はい!」

その後色々考えて五回戦ったが、全て負けだった。

「くぅー」

「でも、最後のは中々でしたよ。この調子です」

「……ありがとうございます」

気付けば昼過ぎになっていたので、私たちは昼食をとり、瞬間移動で体育館にやって来た。

「では、今度は自分が石になる番です。その前に、少し」

私が頷くと、ドラセナさんは続けた。

「僕たちはおそらく本来戦いに向いていないと思われますが、頭があります。僕たちは敵も味方も操れる、人形師になれる訳です。今は影に隠れていても、表舞台に出られなくても、場を支配するのが、サポーターです」

ドラセナさんは堂々としていた。

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