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フォニックス 白雪の戯れ  作者: ことこん
第七章 冷徹
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第五部 ツンデレ?

 夕食後、早速読書を始めようとしていた師匠に近付いた。

「何。別にもう高等妖術について話すことなんてないよ。僕はこうやって本を読んでた方がずっと良い」

「えー。ええやん、たまには」

「その『たまに』がさっきの話」

なんて押し問答をしていたが、そこにレオンさんが割り込んで来た。

「フィーラー。弟子と仲良いなんて意外だな」

「勝手に向こうが話しかけて来るだけ。そっちこそ、弟子はどうしたの」

「向こうでドラセナと遊んでる」

「ふーん」

「フィラは弟子と話すの楽しい?」

「全然」

「そっか。そうだな、うん。じゃ」

レオンの表情は師匠が私と話すのは楽しくないって分かった瞬間柔らかくなった。

あれは、絶対嫉妬やろ。

「可愛いお仲間」

「そう?別に僕は、いてもいなくても良い」

「ホンマにー?」

「本当だって」

やけに強く言い返す師匠に笑ってしまった。

「笑わないでよ」

これは、ツンデレかもしれん。冷徹(ツンツン)なタイプやと思っとったのに。

「ツンデレやな。ツ・ン・デ・レ」

「はぁ?」

面白くて堪らない。私は終始笑い続けていた。

「もう君とは話さない。ぜっっっったいに、話さないから。必要な事以外」

と自分の顔を覆い隠すように本を持ち、読書を始めた。

「冷たいなぁ」

「自業自得だよ」

まぁでも、ちょっと遊び過ぎたかもしれやんね。

「ごめんなぁ」

と謝り、一旦部屋に戻る。

「まさか即バレするとは思っとらんかったなぁ。油断ならんわ、ホンマ」

私は携帯を取り出し、電話を掛けた。

『どうしたの?』

「フィラにバレとったわ。やっぱもっとちゃんと偽装するべきやったんやって」

『あれが限界なのよ』

「まぁ、しゃあないかぁ。研究所相手じゃ、半端な戦力じゃどうにもならんし、仲間になってくれるに越した事はあらへんやろし」

『そうね。私も一人キリュウと戦ってる人匿えたし。順調っちゃ順調ね』

「一個聞いてええ?」

『うん』

「一から身体作った被験体っておった?」

『ああ。十一番のこと?魂と身体を別々に作ったらしいよ。私は九番だけど、身体は他人のをくっつけて作ったツギハギだからねぇ』

「私の時は体はそのままで記憶とかいじっとっただけやから、大分進んで来とるんやね」

『そうみたいね。まぁ、お互い頑張りましょう。ハブられコンビって事で』

「そうやね。絶対、成功させたる」

そこで電話を切り、私は風呂に入る為にいそいそと部屋を出た。

「姉さん、遅いよ。ずっと待ってたんだけど」

とアインが怒って来た。ちょっと悪いことしたやろか。

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