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フォニックス 白雪の戯れ  作者: ことこん
第一章 別れ、そして出会い
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第三部 ソウマ菌(?)

 その人はそのまま走り去って行った。逃げられてしまったのかもしれない。

しかし、フウワさんはその人を追うような素振りを見せなかった。

「追いかけなくていいの?」

と私が尋ねると、フウワさんは首を横に振った。

「あーゆーのは戦士とかが天敵だから、きっと直に潰しに大勢くるだろ」

そうして、私たちはそのまま突っ立っていたのだが、やがてゾロゾロと集団がやって来て、喧嘩は一時休戦、ギャラリーもこちらを向いた。

「ざっと、百人か?」

とシン君は言うが、私的にはもっと多い気がする。

「ま、ここは私に任せとけ」

とフウワさんは一人で行こうとしていた。とうとう一緒にいたせいでソウマさんの性格が伝染ったのかもしれない。

「馬鹿な事を言うな」

とシン君はキツい言葉だが恐らく心配していた。しかし、フウワさんは親指を立てた。

「大丈夫だ。元々こんな所に住んでたからな」

考えたことは無かったが、フウワさんの出自も謎めいている。あまり人のそう言った領域にズカズカと土足で踏み込むのも違うと思うので、別に聞く気はないが。

「じゃあ、任せた」

とライトさんが言うので、私はギョッとした。おそらく、他の皆も。

「だって。フウワだぜ?そこら辺はちゃんと分かってるさ」

とライトさんは言ってのけた。

「分かんないよ?ソウマ菌が伝染ったのかも」

我ながら酷い表現だが、ソウマさんには心の中で謝っておくしかない。

「……なんだそれ」

とシン君には呆れられたが、フウワさんも含めて皆笑い出した。敵が目前で息巻いているこの状況下で笑えてしまうのは場慣れしすぎたせいなのだろうか。

「まぁ、見てろ」

結局、フウワさんは行ってしまった。

しかし、フウワさんが烏合の衆の中に消えて行ったかと思うと、人がライブの時なんかで時折吹き出る蒸気みたいに宙を舞い始めた。

どうやら、全く心配など無用だった様だ。

三十分もすれば、烏合の衆たちは絨毯の様に地に伏せていた。

「言っただろ?」

こればかりは、誰も反論出来なかった。


 フウワさんの快進撃の後、私たちは四天王と名乗っておきながら二十人くらいいた人たちを適当にあしらいながら進んだ。

次に出会ったのは、本当に四天王らしく、先程とは明らかに風格が違った。

「よっしゃ!こっからだ!」

とエントは手を鳴らした。今までやったことなんて一度も無かったのに。

相手も自分たちを見つけてから戦闘体制に入った様だ。

私も薙刀を握り締めた。勿論他のメンバーも各々技がすぐ出せるようにしていた。

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