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フォニックス 白雪の戯れ  作者: ことこん
第三章 反転する価値観
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第五部 同調

 夕飯は、ペアが隣になって食べる事になった。正直、独り言を食事中も言い続けられるのは困ると思っていたが、そんな事は無かった。

「これ、美味しいよ〜」

と俺にしきりに話しかけて来る。正直しつこいが、楽しそうなのでいいか。

「鶏肉か?」

「そー!」

言われた通りに口に運んだパスタは鶏肉の入ったオイル系だった。

「ねぇ、目怪我してるの?」

まぁ、常時目を隠すように帽子を被っていたら、そう思われるのも珍しく無い。ここは兎の国だし、別に脱いでもいいか。

「綺麗!」

俺が帽子を脱ぐなり、ニアはそう騒ぎ立てた。皆の視線が俺に集まる。

「確かに。イケメンって言うより美男子って感じ」

とクオは言い、

「こんな綺麗な人、現実にいるんだね。国傾けたりして」

なんてフィラでさえ言う。

俺ってそんなに言われる程なのか?

「すみません。お気になさらず」

とドラセナに謝られたが、俺は慣れている。

「大丈夫だ」


 風呂に入った後、俺たちは寝る前に雑談をしていた。

「エントって、セイに似てるね」

とフィラが言うと、本人たちは首を傾げた。それは俺も同意だ。

「まぁ、雰囲気は」

とドラセナも同調していた。

「まぁ、お節介でやかましいのはセイだけだろうね」

とフィラが言うと、セイは

「フィラ!それはお前が悪い!」

と保護者の様だ。フィラって案外、普通なのかもしれない。言ってる事はむかつくが。

「俺はセイの方が好き〜」

とニアはセイにくっついて離れず、フィラは呆れていた。

「お好きにどうぞ。別に僕は自由にやってくれていいと思うし。ね、レオン」

「ん?なんで俺に振った?」

そんな二人を見たクオがクスクス笑いながら、

「それは、レオン君がf「だーっ!違うっての!あくまでラ・イ・バ・ル・だ!」

レオンは急に大声を出し、フィラは顔をしかめて、

「うるさい、レオン」

つくづく、仲が良さそうだ。

しかも、フォニックスも既に友好関係を築き初めている。

アインはもうクオと延々と話している。

「でさー、結構厄介なのよねー」

「そーそー。もっと素直になってくれればこっちの苦労も無いのに」

いや、何の話だよ。

ゼノは少し心配だったが、少しでも暴れようとすればリーダーが片腕をゼノの胴に巻きつけ抑えていた。

「……ぶぅ」

「その勢い、絵にぶつけてみないか?」

と落書き帳と色鉛筆を取り出す姿からは、育児に慣れているのが容易に想像出来た。

最初はどうなる事かと思ったが、案外馬が合う様で。このメンバーで一年過ごすのも、悪くないかもしれない。

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