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フォニックス 白雪の戯れ  作者: ことこん
第三章 反転する価値観
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第二部 “単純な”勝負

 初対面で随分な言われようだが、それを否定できる根拠も無いような気がした。

「難しい話ばかりしてても分かりづらいだろうし、一回、僕たちと勝負してみようよ」

とフィラはあくまで冷静に言って来た。

随分と見下されている様な気がする視線だったが、何も言い返せない現状がただただ悔しかった。

「……ああ」

別にフォニックスのリーダーでも無い俺が決めるのはどうかとも思ったが、この俺たちよりも高台にいる存在を、知りたいと思った。


 「勝負のルールは単純だよ」

フィラたちに案内されてやって来たのは、俺たちには馴染みの無い、いわゆる“バトルコート”だった。

地面はゴムで固められている様で、ひろさは五十メートル四方と言った所だろうか。

「君たちと僕たちがチームとして戦って、相手チームを全員このコートから落としたら負け。作戦立てるのに、三分あげるよ」

と言われ、俺たちはとりあえず集まった。

「基本的には、自分たちの射程に合わせた位置取りで行こう。相手の出方は分からないけど、下手に変えるのも良くないだろうし」

というアインの意見に誰も異論は無かった。

前三人はフウワ、ゼノ、エント。確かに、こいつらは近接攻撃にステータスが寄っているから、妥当ではある。

中二人はライト、アイン。中距離も行けるし、前衛との交換も出来る。確かに、最善の選択だ。

後ろ三人は、俺、ツーハ、スイン。スインは勿論だが、俺とツーハ、俺とスインの合体という切り札も活かせる。

「出来た?」

とフィラが尋ねると、俺たちは立ち上がった。

「じゃあ、並んで」

俺たちと向こう側は作戦を立てたフォーメーションに並んだ。

相手は前五人、後ろ三人だった。

前の右端には俺と同じくらいの身長の女。ナイフを両手に持っていた。表情は面の様に動いていなかった。

その左には、先程の大男だった。向かい合ったフウワですらチビに見える。ガタイも良さそうだ。

中央は、いわゆるドラゴンだが、人型で翼も無かった。青色の鱗は見るからに頑丈そうだ。

その左は、先程の大男にも負けず劣らずの身長を持った男だった。ずっと一人で何か呟いている。変な奴。

左端は、何処となくエントと雰囲気が似ている男だった。しかし、おそらく上位互換だ。

後ろの右端は、一見普通の女だった。しかし、妖気はしっかりと感じた。

中央は、やはりフィラだ。

左端は、さっきの敬語使ってた奴だ。

「向こうは二列で来たな」

と俺はスインに言った。

「そやね。しかも、並びもちゃんと考えられとる」

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