学校の七不思議その七
学校の七不思議。
うん。
地味だ。
本気で地味だ。
そろそろ泣きたいと思うのは気のせいだろうか?
うん。
気のせいと言って欲しい。
とはいえ最後まで七不思議を堪能したい僕。
だから僕は次の七不思議を相棒に尋ねた。
「ねえ~~相棒次の七不思議何かな……」
「うん?」
そう言おうとしたときのことだ。
風が吹いた。
生暖かい風が。
魚の腐ったような匂い。
肉が腐り落ち腐臭にも似た感じのやつが。
何かが起きた。
何かが。
カタ。
カタ。
何かが揺れる音がする。
硬い何かが揺れる音。
何かが硬い……。
いや廊下を突き破って生えてくる物がある。
其れは見慣れた植物だ。
桜。
其処には大きな桜の木が有った。
満開の桜が。
学校の廊下に。
思わず僕は唖然とする。
今は夏。
春では無い。
なのに何故か大輪の花を咲かせた桜がある。
しかも学校の廊下に。
怪しい妖気すら漂う桜が生えた。
其の異常さに僕らは声を失う。
ゴキゴキ。
ゴキゴキ。
桜の下から何かが廊下を砕いている。
死体。
人の死体だ。
「ア~~」
「アア~~」
正確にいえば生ける屍。
腐り果てた血肉。
緩んで落ちて垂れた内蔵。
其れを引きずりながら此方に迫ってくる。
ゆっくりと。
ゆっくりと。
「桜の木の下には死体がうまっている」
「相棒?」
「其の都市伝説だ」
「ほう」
「大正から昭和にかけて活躍した作家の短編小説『櫻の樹の下には』から来ている」
「ふ~~ん」
「この短編小説の書き出しは当時の人々に大きなインパクトを与えたんだ」
「お~~い相棒」
「そこから七不思議になったみたいだね」
「相棒~~アチラ僕らを捕食する気満々みたいだけど……」
僕は呆れながらアチラを指差す。
いや本当に。
止めて欲しい。
臭いし。
汚いので。
「汚いから触りたくなんだが僕は」
「あ~~汚くなければ叩き潰せると?」
「そう言ってるけど」
僕の言葉に唖然とする相棒。
「何かドンドン化け物じみてない?」
「相棒僕人間なんだが?」
「あ~~」
何言ってんだ?
此奴。
などという目で見ないで欲しい。
うん。
「仕方ない私の本体を奴らに向けて」
「例のやつね」
固有振動とか何とかだっけ?
「いやアレじゃない」
「はい?」
「新技」
「はい?」
ゴウッ!
行き成り炎が出た。
其れもかなりデカイ。
視界一杯程ある巨大な炎だ。
「汚物は消毒だあああああああああああああああっ!」
「待てええええええええええええええっ!」
うん。
認めるけど……。
「何?」
「火事になるだろうがっ!」
「大丈夫そんなヘマは……」
ゴオオオオオオッ!
そう言いかけた向こう側。
桜がありえない程燃えている。
物凄く。
ガソリンを大量に焚べたかのように。
「ほらああああああああああっ!」
「あれ~~」
僕は相棒の首元を掴みガクガク揺らす。
ええ。
下手すれば火事に成りそうな案件です。
というか逃げないと。
確実に死ぬ。
うん。
指先が勢い付いて柔らかいのが当たってるが気にしない。
それどころではないので。
ええ。
後日談。
火事になりませんでした。
炎は都市伝説のみを焼く炎らしい。
原理はしらんけど。




