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淡々後漢書  作者: ンバ
第十八、呉漢伝
94/102

十七・十八、我呉漢、最期まで呉漢

17.

漢性強力,每從征伐,帝未安,恒側足而言。諸將見戰陳不利,或多惶懼,失其常度。漢意氣自若,方整厲器械,激揚士吏。帝時遣人觀大司馬何為,還言方修戰攻之具,乃嘆曰:『吳公差強人意,隱若一敵國矣!』每當出師,朝受詔,夕即引道,初無辦嚴之日。故能常任職,以功名終。及在朝廷,斤斤謹質,形於體貌。漢嘗出征,妻子在後買田業。漢還,讓之曰:『軍師在外,吏士不足,何多買田宅乎!』遂盡以分與昆弟外家。


18.

二十年,漢病篤。車駕親臨,問所欲言。對曰:『臣愚無所知識,惟願陛下慎無亦攵而已。』及薨,有詔悼湣,賜謚曰忠侯。發北軍五校、輕車、介士送葬,如大將軍霍光故事。


(訳)

呉漢の性格は剛強であり、

征伐に従うたび

光武帝が落ち着かぬ時は

つねに側で上言するに足りた。


諸将は戦陣にて不利を被る(負ける)と

恐懼して常態を

失してしまう事も多かったが、

呉漢の意気は自若としており、

つとに器械を整備する事に勉め

士卒や官吏を激励していた。


光武帝が時に人を遣わして

大司馬(呉漢)が何をしているのか

観察させた際、戻ってきて

「ちょうど戦具を整えておりました」

と告げたため、そこで嘆息して言った。


「呉公は人の気持ちを奮い立たせてくれる、

その威厳はあたかも一個の敵国のようだ」


出兵しようとするたびに

朝に詔を受けたなら

夕方すぐに出発する事ができ、

出征の支度が

整えられていない日など

一度もなかった。


だからこそ常に(要)職に任じられて

功名を全うする事ができたのである。


朝廷に臨む際には

大変に慎ましやかで質実であり

体や貌にあらわれていた。


呉漢が嘗て出征した際に、

妻子が後方に在って

田地を買った事があった。

呉漢は戻ってくると

これを責譲して、言った。


「軍師が外に在り、

吏士が不足しているというのに

何故たくさん田宅を買うのだ!」


遂に、盡くを兄弟や

外戚の家庭に分け与えてしまった。


二十年(44)、

呉漢の病が重篤となると

車駕はみずから見舞い、

言い(遺し)たい事を問うた。


対して呉漢は言った。


「臣は愚かで、知識る所はございませんが

ただどうか、陛下におかれましては

慎まれ、大赦を以後行わぬよう

お願いいたします」


薨じるに及んで

追悼の詔が下され、

忠侯という諡号を賜った。


北軍の五校、軽車、介士が

葬送する様は、大将軍霍光(かくこう)の故事の如くであった。


(註釈)

飾り気がなくて真面目な呉漢。

泣きそうな時でもみんなの鼓舞を忘れない。

オフの時でも武器の手入れをしていて

命令があるといつでも

すぐ出発できた。


みんなが楽しく騒いでる時でも

「ぼくはパトロールに行ってきます」

と述べて巡察を怠らない

アンパンマンのような勤勉さである。


光武帝はそんな呉漢を

「いち敵国みたい」と称する。


そんな彼が死に臨んで

言い遺した言葉は

『臣愚無所知識,惟願陛下慎無亦攵而已。』


「亦攵」の意味がうまく取れないんだけど

もしかして「赦」かな。


「大赦はいけませんよ、陛下」


って、おセンチな雰囲気もなく

最期に毅然と言い遺してくのが

すごく呉漢らしいし、

諸葛亮も呉漢が大赦云々と

賛同してる逸話があるので

これでまず合ってると思います。


光武帝は霍光の故事にならって

呉漢の葬儀を執り行い、

おくりなは「武」にしよう

という提案を蹴って「忠」にした。


雲台28将は、光武帝の死後に

明帝が序列を決めたものだけど、

光武帝が自ら定めていたとしても

呉漢は間違いなくトップ3には来そう。

ともすれば1位じゃないか。


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