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淡々後漢書  作者: ンバ
第十五、来歙伝
31/102

東観漢記、来歙伝前

1.

來歙,字君叔,南陽新野人也。父沖。歙有大志慷慨,治春秋左氏,東詣洛陽見上,上大喜,曰:「君叔獨勞苦。」即解所被襜襦以衣歙,拜太中大夫。

2.

來歙,字君叔,南陽人也。建武五年,持節送馬援,奉璽書於隗囂。囂遣子恂隨入侍。時山東略定,帝謀西收囂兵,與俱伐蜀。囂將王元說囂,故狐疑不決。歙素剛直,遂發憤責之曰:「

3 .

國家以公知臧否,曉廢興,故以手書暢至意。足下推忠誠,遣伯春委質,是君臣父子信也。今乃欲從佞惑之言,為族滅之計,叛主負子,違背忠信。吉凶之決,在於今日。」因欲前刺囂,囂起入,部勒兵,將殺歙,歙徐杖節就車而去。

4.

上聞得略陽,甚悅。左右怪上數破大敵,今得小城,何足以喜?然上以略陽囂所依阻,心腹已壞,則制其支體易也。

5.

囂圍來歙於略陽,世祖詔曰:「桃花水出,船槃皆至,郁夷、陳倉,分部而進者也。」

6.

上大發關東兵,自將上隴,隗囂眾潰走,圍解。於是置酒高會,勞賜諸將,來歙班坐絕席,在諸將之右,賜歙妻縑千疋。


(訳)

来歙らいきゅうは字を君叔くんしゅく南陽なんよう新野(しんや)県の人である。


父は来仲。来歙は大志を有して梗概し、

「春秋左氏(伝)」を治めた。


東の洛陽を詣でて光武帝に見えると

光武帝は大喜びして、言った。


「君叔ひとりかい、お疲れ様」


即座に襜襦(衣)を脱いで

来歙に着せ、太中大夫に拝した。


来歙は字を君叔、南陽郡の人である。


建武五年(29)に

節を持って馬援を送り、

璽書を隗囂に奉じさせた。


隗囂は子の隗恂を遣り

入朝に隨わせた。


当時、山東さんとうが攻略・平定され、

光武帝は西の隗囂の兵を集めて

倶に蜀を攻伐せんと謀ったが、

隗囂の部将の王元おうげんが隗囂に説いたため

狐疑(逡巡)して結論が出なかった。


来歙はもとより剛直であり、

とうとう憤りを発して隗囂を責めた。


「国家は公の臧否と

興廃の明らかなる事(善悪の見極めが正確)

を知った故に、手ずから書状を以て

そちらの意思を暢べようとしたのだ。


足下は忠誠を推して伯春(隗恂?)を人質に遣った。

これは君臣・親子の信であるが、

今、佞臣の惑わしの言葉に従って

一族を滅亡させる計を為そうというのか。

主にそむけば子もそむいたことになり、

忠信にそむき、違える事になるぞ。


吉凶の決定は、今日にある」


来歙は進み出て隗囂を刺そうとした。


隗囂が起ち入り、おさめる兵をべて

来歙を殺そうとすると、来歙は徐に節をついて

車に乗って逃げ去った。


光武帝は(来歙が)略陽りゃくようを得た事を聞き

甚だ悦んだ。


左右の者は、

光武帝が大敵を幾度も破っており、

今、小城を得た事が

どうして喜ぶに足るものか

と怪しんだが、光武帝は言った。


「略陽は隗囂が恃みにしていた要害で、

心腹が已に壊れたとなれば、則ち

その支体を制するのは容易いのだよ」


隗囂が来歙を略陽に囲むと

世祖(光武帝)は詔勅して述べた。


「桃花水(雪解け水)の出でる頃には

船槃を全て到着させる。

嵎夷、陳倉へ部隊を分けて進軍するのだ」


光武帝は関東の兵を徴発して

自らは隴右へ上ろうとすると

隗囂の手勢は壊走し、囲みは解かれた。


こうして酒盛りが行われる運びとなり、

高官が会同した。

諸将への慰労と賞賜があり、

来歙の席次は隔絶し、

わかたれた位置に坐して

諸将の右に在った。

来歙の妻にも縑千匹が下賜された。


(註釈)

これは光武帝本紀だったかで

見た気がします。


来歙が略陽を奇襲で取ったのは

結構なファインプレーだったんですな。


6はほとんど後漢書来歙伝とおなじ。

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