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淡々後漢書  作者: ンバ
第十五、来歙伝
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28/102

八、刺客の手に倒れる

8.

十一年,歙與蓋延、馬成進攻公孫述將王元、環安於河池、下辨,陷之,乘勝遂進。蜀人大懼,使刺客刺歙,未殊,馳召蓋延。延見歙,因伏悲哀,不能仰視。歙叱延曰:『虎牙何敢然!今使者中刺客,無以報國,故呼巨卿,欲相屬以軍事,而反效兒女子涕泣乎!刃雖在身,不能勒兵斬公耶!』延收淚強起,受所誡。歙自書表曰:『臣夜人定後,為何人所賊傷,中臣要害。臣不敢自惜,誠恨奉職不稱,以為朝廷羞。夫理國以得賢為本,太中大夫段襄,骨鯁可任,願陛下裁察。又臣兄弟不肖,終恐被罪,陛下哀憐,數賜教督。』投筆抽刃而絕。


(訳)

十一年(35)、

来歙は蓋延がいえん馬成ばせいとともに進軍して

公孫述こうそんじゅつの部将(もと隗囂の将)の王元おうげん環安かんあん

河池かち下辨かべんに攻め、これを陥落させると

勝ちに乗じてさらに進撃した。


蜀人は大いに懼れ、

刺客を遣わして来歙を刺させた。


来歙は死んではおらず

早馬を遣って蓋延を召したが、

蓋延は来歙に見えると悲しみで伏してしまい、

仰ぎ見る事ができずにいた。


来歙は蓋延を呵叱して言った。


「虎牙《蓋延》はどうして

ちゃんとしようとせぬのだ。


いま、使者(私)は刺客にあたってしまい

国家に報いる事ができなくなった故に

巨卿《蓋延》を呼び寄せて

軍事を嘱託しようと考えていたのに、

反対に子供や女子に倣って

泣いているとは!


刃がこの身に在ると雖も、

兵をおさめて公を斬る事が

できないわけではないのだぞ!」


蓋延は涙を収めてしっかと起ち上がると

来歙から教誡を受けた。


来歙は自ら書を認めて上奏して言うよう、


「臣は夜、人定の(夜10時)後に

何人かに賊傷(傷害)される所となり、

我が要害に中りました。


臣は自らを惜しみは致しませぬが

職務を奉じて堪えられず

国家の恥となる事が誠に恨めしいのです。


そもそも国を理めるは

賢者を得ることを根本といたします。

太中大夫の段襄だんじょうは鯁骨にして

任用する事が出来ます。どうか陛下、

この事を御賢察くださいますよう。


また、臣の兄弟は不肖にございまして

終には罪を被る事になるのではないかと

恐れております。陛下の御哀憐にて、

幾ばくかの教導と督趣を賜りたく存じます」


筆を置き、刃を抜き放つと、

来歙は息絶えてしまった。


(註釈)

公孫述の部将の環安が放った刺客に

襲われてしまった来歙……。


ドスが刺さった状態で蓋延を呼び寄せ

(馳だから自分で蓋延のもとまで走った?)

後のことを託そうとしますが

当の蓋延はパニックで泣き喚いています。


来歙はそこで、


「俺はもう助からん、だから

あんたを呼んで軍事を委託しようと

思ってたのに、女子供みたいに

泣いてんじゃねぇよっ!!!!


ドスが刺さったままでも

兵にあんたを斬らせるくらい

できるんだぞ、シャンとしろい!!」


と一喝。剛毅な男ですね。


光武帝に自筆の書を認め、

刃を体から抜き放って、逝きました。



もはや戦力差は如何ともしがたいので

ワンチャン刺客を放って

光武帝の主力を葬るくらいしか

公孫述に勝ちの目はなかったのですね。


荊州方面から船で攻めていた岑彭しんほう

同じ手で殺られてしまいます。


ラスボスがこれだから、いまいち

光武帝のお話が受けないのかも。


死神呉漢(ごかん)は、降伏してきた

公孫述と延岑えんしんを、家族もろとも

皆殺しにしてしまい

光武帝に叱責されていますが、

来歙と岑彭を汚い手で殺った事への

報復の意味合いもあったのかも。


呉漢は岑彭と仲よかったくさいしね。

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