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淡々後漢書  作者: ンバ
第十五、鄧晨伝
17/102

一、劉秀まさに天子となるべし

光武帝の姉婿の鄧晨とうしん伝。


昔、似たような響きの格ゲーがあったなぁ。


1.

鄧晨字偉卿,南陽新野人也。世吏二千石。父宏,預章都尉。晨初聚光武姊元。王莽末,光武嘗與兄伯升及晨俱之宛,與穰人蔡少公等宴語。少公頗學圖讖,言劉秀當為天子。或曰:『是國師公劉秀乎?』光武戲曰:『何用知非仆耶?』坐者皆大笑,晨心獨喜。及光武與家屬避吏新野,舍晨廬,甚相親愛。晨因謂光武曰:『王莽悖暴,盛夏斬人,此天亡之時也。往時會宛,獨當應耶?』光武笑不答。


(訳)

鄧晨とうしんは字を偉卿いけい南陽なんよう郡の新野しんやの人である。


世世二千石の官吏で、

父の鄧宏とうこう預章よしょう都尉といであった。


鄧晨は初め光武帝の姉の劉元りゅうげんを娶った。


王莽の末年、光武帝は嘗て

兄の劉縯りゅうえん及び鄧晨と倶にえんへゆき、

じょうの人である蔡少公さいしょうこうらと

宴をして語らった事があった。


少公は図讖を頗る学んでおり、


「劉秀まさに天子となるべし」


と述べていた。


或る者が言った。


「この予言は、国師公の

劉秀殿のことを言っているのかな?」


光武帝は戯れて言った。


「どうして僕でないとわかるんだい?」


同座していた者は皆大笑いしたが、

鄧晨は、内心でひとり喜んでいた。


光武帝が家属とともに

官吏を新野に避けるに及び、

鄧晨の廬をやどとして

(鄧晨の家に寝泊りした)

互いに甚だ親愛であった。


鄧晨はそこで光武帝に対して謂った。


「王莽は悖逆して暴威をはたらき、

盛夏に人を斬ったが、

これは天運が尽きたという事だろう。


往時にともに宛へ行った際、

(私)ひとりは(お前こそが予言に)

応じるべきだと考えていたよ」


光武帝は笑って答えなかった。


(註釈)

蔡少公

「『劉秀まさに天子となるべし』

……という予言があるのだ」


モブA

「この劉秀っていうのは誰だろう」


モブB

「国師公の劉歆りゅうきんさまじゃないのか。

最近『劉秀』に改名したらしい」


劉秀

「あれ、これ僕のことじゃないの〜?」


モブ軍団

「ねーよww」「わらかすなww」

「何言ってんだおまえww」


劉秀式ジョークです。

人が集まってると

笑いを取らずにはいられない?


みんなが爆笑しているなかで

姉婿の鄧晨だけは、劉秀なら

やってくれるかもしれないと

考えていたとか、いないとか。


「劉秀當為天子」は

漢文の教科書などで

「当」の用法の例文として

出てくるときがあるとか、ないとか。


国師公の劉歆は、予言に応じて

わざわざ「劉秀」に改名しましたが、

陳寿が蜀書第一の評で

このことにツッコんでいます。


禍福は求めようとして

得るものじゃないんだぜ的な。

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