表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

51/56

第51話 数百年後の異世界

すっかり具合の良くなったおばあさんに聞いた話では、どうやらここは俺たちが前に来た異世界で間違いないらしい。

ただ、なぜか俺たちが以前訪れた時代からは数百年が経過してしまっているようだった。

そのため俺たちのことを知る者はもういないだろうということだった。


「お兄ちゃんたち、伝説の勇者様だったんだ~。すご~いっ」

と目を輝かせてヘレンが言う。

俺たち三人は魔王を倒した伝説の勇者パーティーとして名前だけは語り継がれているのだそうだ。


「この世界に召喚術師っていますか?」

俺が訊くと、

「すみませんねぇ。わたしたちはそういう話には疎くてね、何も知らないんですよ。この辺りは辺境の地ですから」

と心底申し訳なさそうにおばあさんが答えた。


「そうですか」

「だったらもっと都会に行ってみるっきゃねぇな」

「そうだね」

珍しく新木と二本松の意見が合う。

そこで俺も二人に賛同しすぐに出発しようとする。


がしかし、

「え~、もう行っちゃうの? まだいてもいいじゃん」

「そうですよ。せめて今日だけはうちに泊まっていってください。たいしたおもてなしは出来ませんが、是非お礼をさせてください」

ヘレンとおばあさんが引き留めるので俺たちは顔を見合わせてから、

「……じゃあ、お言葉に甘えさせていただきます」

と一晩だけお世話になることにしたのだった。



☆ ☆ ☆



翌朝。

俺たちはヘレンとおばあさんに別れを告げるとその場をあとにした。

そして町か村をみつけるため森の中を突き進んでいく。


一日がかりで森を抜け出た俺たちはその後も湿地帯や草原を歩いて町を探した。

途中野宿をするため大きな木の下に居を構える。

こういう時は俺なんかより新木や二本松の方がよっぽど役に立ってくれる。


新木の【マジックボックス】で寝袋や食料品を取り揃え、二本松の補助魔法でモンスターから身を隠す。

二人のおかげで旅はとても快適なものとなっていた。



☆ ☆ ☆



ヘレンたちと別れてから三日後、俺たちはようやく村を発見した。

お世辞にも大きな村とは言えなかったが、それでも俺たちにとっては充分だった。


「よし、じゃあ手分けして召喚術師の居場所を訊いて回ろう。いいな?」

「よっしゃー、任せとけっ」

「オーケーだよ」


こうして俺たち三人は協力して、村人たちから召喚術師の情報を仕入れることにしたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ