第8話 小春日和(2)
部屋に案内された三人。
建物の二階にある部屋にはベッドが三つ、テーブル、椅子、小物ではランプや生け花など、質素ながら清潔感がある。こちらに来る前の四畳の作戦部屋と比べるとだいぶ広々としている。
「やっと一息つけますね」
「ベッドふかふかだよー!」
「お日さまの香り~」
それぞれがベッドに座ったり寝転んだりしている。
「ここに来て半日も経ってないけど、色んな人と会ったよねぇ!」
「そうだね~、お姉さんカウント的には、衛兵のお姉さん、冒険者ギルド、商業ギルドのお姉さん、あとアリアお姉ちゃん、かな~」
「まだ半日ほどありますし、もう少し街を見てみたいですね。新しい出会いがあるかもしれませんし」
「みーちゃん、気になるとこある?」
「ここに生け花がありますし、お花屋さんがあるならぜひ行ってみたいです」
「みーちゃん、お花好きだもんね~」
「それじゃあまずはアリアお姉ちゃんに聞いてみよっか!」
一階に降り、辺りを探す。すると厨房からコトコトと音が聞こえてくる。
「こんにちはー!」
厨房にはアリアと、もう一人女性が居た。
「あら、こんにちは。あなた達がかわいいお客さんね!アリアから聞いていたのよ」
「もしかしてアリアお姉ちゃんのお母さん?」
「ええ、そうよ、よろしくね」
「よろしくお願いします。ところで、お聞きしたいんですが、この街にお花屋さんはありますか?」
「うん、あるよ。ウチでも使ってるお花を仕入れてるところと、他にも二店舗あるかな。場所教えようか?」
大まかな地図を書いてもらい、三人は東の商業区の花屋に向かう。