第22話 魔具屋マグマグ(1)
「ちょっとハラハラしたけど、見学できて良かったよね」
「そうですね、冒険者や貴族院の方々が使っていた技や魔法はレベル2相当といったところでした。もちろんこれが平均値とは限りませんが、一つの目安になりそうです」
「魔物が予想より強かったかな~、街の付近に居るのがあのくらいの強さだと、冒険者成り立ての人は大変そうだね~」
「そういえば冒険者ギルドに行ってみるの、まだだったね。今はまだゴタゴタしてそうだし、魔具屋さんの後でいっかー」
「それじゃあ、魔具屋さんに行こ~」
宿屋小春日和を出て、通常は大通りに行き冒険者ギルドの横を通るが、人が多いだろうと見込み、大通りより北側を通る三人。予想通り通行人が少なく魔具屋へは順調に進む。やや進んだところで北側貴族居住区に進む北大通りに行き当たる。
「ここからは大通りを歩こっか」
北大通りを一旦南へ。全ての大通りが交わる中央噴水広場に歩みを進める。徐々に人通りが多くなり、いつものテレポートやかわし歩きへと変え東大通りを行く。
「魔具屋さん、名前なんだっけ?」
「えっと、魔具屋マグマグですね」
「そのままだね~」
「着きました、あそこですね」
「こんにちはー!」
「いらっしゃいませー」
見た目が若い、というより幼さが見える店主が出迎える。癖毛のロングヘアーで、三人より若干お姉さんかという彼女はやや気だるそうにしている。
「なんだか魔力の射出を感じるね~、これら魔具の一つ一つに魔力が宿ってるからなのかな~」
「うん、そだよー、基本的に魔具は魔力を放ってるんだよね、若いのによく知って…って、んんー??」
「どうかしましたか?」
「気のせい…いや、気のせいじゃない!あなた達能力隠蔽してるでしょ?!私の目はごまかせないわよ!」