第17話 夕食(1)
「アリアちゃーん!こっちおかわりー!」
「あ、はーい!ただいまー!」
…、
…、…、
「そろそろ良いでしょうか、一階に居る方の声も少なくなりました」
「ご飯ご飯ー」
一階に下り、すぐにアリアを見つける。
「アリアお姉ちゃん、ご飯お願いしていい?」
「うん、何食べる? おすすめはビーフシチューだよ!」
「それじゃあビーフシチューで~」
「はーい。それじゃ少し待っててね」
パタパタと厨房に戻り、しばらく経つと良い香りが漂ってくる。
「おまたせ、どうぞ召し上がれ♪」
肉はホロホロと崩れ、野菜までシチューの味がしみている。シチューはやや濃い味だがそれがパンと合い、また食欲がそそられる。ここ小春日和の目玉だと言っていた商業ギルドのお姉さんの言葉も頷ける。
「おいしかったー!ごちそうさまー!」
「お金はここでいいの~?」
「うん。一人銀貨5枚だから、三人で銀貨15枚ね」
「置いておくね~」
銀貨15枚を支払い部屋に戻った三人。
「さっきと違って質問されなかったね」
「てっきりまた質問攻めにあうかと思ってたんだけどね~」
「そういえばお風呂はあるのでしょうか?」
「ん~説明無かったような~」
「アリアお姉ちゃんに聞いてみよっか!」
再び一階に下りる三人。夕食時は過ぎ、客もまばらだ。
「ねぇねぇアリアお姉ちゃん。お風呂ってどうするといいの?」
「お風呂はね、お風呂屋さんがあるからそこに行くんだ。あ、でももちろん費用はかかるから、私はニ~三日に一回かな」
「そうなんですね、お風呂屋さんに行かないときはどうしてるんですか?」
「あ、説明してなかったね。裏庭に誰でも使えるように、水が出る魔具を設置してるの。これで布を濡らして身体を拭いたりしてるよ」
「「「魔具?」」」