第15話 お花マールイッド(3)
冒険者ギルドの関係者はすぐに用件を話し出す。
「マールイッド捜索クエストの発注者ですね? 先ほど街から西7~8キロ先の山の開けた場所に、マールイッドの花畑があることが確認されました。これをクエスト達成とし、報酬を支払いましたので、このクエストを外させていただきます」
「7~8キロ先の山の中…ですか。分かりました。掲載して頂き、ありがとうございました」
一通り話し終えると冒険者ギルドの関係者は去っていった。
「さすがに一人で採りに行けるところではありませんね…。三人は街の近くで見つけたと言っていましたが、詳しい場所を聞くべきでしたでしょうか…」
…、
…、…、
小春日和に戻った三人。
「アリアお姉ちゃん、これ!」
「わあ、マールイッドだね!よく見付けられたね!」
「街の近くに咲いてるのを見つけたんだよ~」
「テレージアお姉ちゃんにはさっき渡してきたんだ!これはアリアお姉ちゃんの分!」
「ありがとう!お願いしてから一時間も経ってないのに三輪も見付けるなんて凄いね!…もしかしてこれも魔法?」
「え、えーっと~、そうそう~、どこにあるか分かる魔法を使ったんだよ~」
「そうなんだ、色んな魔法が使えるんだね!」
「ま、まあねー!」
「…瞬間移動できる魔法も使えたりする?」
「え、えーっと…」
アマテラスが返答に困っていると、
「こんちはー!」
「あ、いらっしゃいませー!」
客が入ってきて、アリアは対応に向かう。
その隙に三人は逃げるように部屋へと戻った。
「ハァ、動いたら腹減ったな…ん?今の三人…?」