第11話 魔法とお花マールイッド(1)
アマテラスが光の粒子から無数のお菓子を作り出しているところに、アリアがドアを開けて入ってきた。その瞬間に出会ってしまい四人は固まっている。
「え、えーっと~…」
「すごーい!そんな魔法もあるんだね!そういえば聞かなかったけど、三人は冒険者なのかな?」
「ホッ…ひそひそ(なんとかなりそうだね~)」
「ひそひそ(今回ばかりはこういう魔法もあるということで納得してもらいましょうか)」
「う、ううん、冒険者じゃないんだけど、魔法は使えるの!」
「そっかぁ、さっきお金を支払ってくれたときもアイテムボックスから出してたし、てっきりそうなんだと思ってたの。でも…うーん…」
「どうかしたんですか?」
「うーんとね、まずはこれを見てくれる?」
「押し花?あ、この花黄色!しかも花びらが無数にある!」
「もしかしてマールイッド~?」
「うん、そうなの!よく知ってるね。あ、もしかしてテレージアさんに聞いた?」
「テレージアさんって、花屋のお姉さん?」
「うん、そうだよ。最近マールイッドが採れなくて困ってるって言ってたからね。私も協力したいから、ここに来てくれる冒険者の人達にお願いしてるんだ」
「テレージアさんは冒険者ギルドにお願いしてると言ってました」
「それがね、報酬が少ないからなかなか受けるって冒険者が居ないんだよね…街から遠い場所だと強い魔物も出るからなおさらね」
なるほどと頷く三人。
「いきなり来てごめんね、この話は無かったと思っていいから」
「ねぇ、アリアお姉ちゃん~。冒険者じゃない人がクエストを受けるとダメかどうか分かる~?」
「あ、えっとね、ダメなわけじゃないよ。ただ冒険者だと冒険者ランクポイントが貯まるんだ。難しいクエストほどポイントが上がるって仕組みなの」
「そうなんだ!それじゃあマールイッド捜索クエスト、私達受けるよ!」