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僕はまた、君に逢いに産まれてきたんだ!

作者: 七瀬








私の彼は、1年前に交通事故で亡くなりました。

私は、彼の事を本当に心の底から愛していたから彼の事を

忘れる事が出来ずにいました。

私にとって彼は、【運命の人】だったんです。

彼以上の男性ひとが、この先現れるはずがありません。

彼が運命の人なんですもの。

彼と出逢ったのも、また“運命”だったのかもしれない。

彼とは、私がよくスイーツを買いに行くお店で出逢いました。

彼も甘い物好きなんです。

お互いに、お酒を飲まないから甘いものが好き。

初めて彼と目が合った時、電気が走ったようなビビッと感じたんです。

これは! 私の直感だったんだと思います。

彼と何回かあのスイーツのお店で会ううちに、仲良くなって。

彼と話せば話すほど、趣味が全く同じだったり。

感じる事や考え方まで似ていました。

好きなモノや嫌いなモノ、行きたいところや、苦手なモノまで。

彼とは何でも合いました。

私も彼も、不思議な気分でした。

お互いの存在がお互いに溶け合うように自然なんですもの。

今まで付き合った男性ひとで、そんな風に感じた人は彼以外

いませんでした。

私は、この人が運命の人だと直ぐに分かりました。

彼も私と同じ気持ちだったと思います。

彼の事は、何でも分かり合える人だったからです。

3か月後には、彼と同棲をはじめました。

こんなに一緒に居て、楽というか? 自然体で居れる人はいません。

一人で暮らしている時と、二人で居ても私は、そのままでいれた。

気を遣う事無く、彼と何か会話をする必要がないぐらいに自然と彼の

したい事やする事が分かってしまう。

既に、お互い言葉は必要ありませんでした。

彼と居ると? 私でいれる、優しくなれる、無理しなくていい。

今まで付き合った彼には、どこか私は無理して付き合っていたから。

遠慮したり、気を遣ったり、彼の事を優先して考えたりといった事です。

でも? 今の彼にはそれが一切ないんです。

誰よりも私は、彼を理解しているし彼も私が家族の誰よりも理解して

くれていると想っていると思います。

【彼はもう一人の私なんです】




・・・そんな彼が事故で亡くなり。

私の心は、ぽっかり穴があいて空っぽになってしまいました。

当時彼は21歳で、私が20歳の時です。




 *




あれから、20年と言う歳月が流れてしまいました。

私は40歳になりましたが、未だ独身のままです。

彼以外の男性ひとを愛せずにいました。

私の両親からも、40歳になって未だにこんな事を言われます。



『カナコ、あんた! いつまで独身でいるんだい? もういい歳

じゃないの! ずっと一人でいるき? もういい加減、雅信さんの

事は忘れて! いい人見つけなさい!』

『・・・で、でも、』

『あんた! 自分の歳分かってんの? もう40歳よ! 私達に

孫でも見せてよ!』

『・・・お、お母さん、』

『いいね! 結婚する気がないなら、お母さんが決めた男性ひと

とお見合いして!』

『・・・・・・』

『勝手にお母さんが決めて、日取りも決めておくから!』

『・・・あぁ、ううん。』

『また、詳しい事決まったら、連絡するから電話に出てよ!』

『・・・ううん、』





・・・数日後。

母親からお見合いの日取りが決まったと連絡がありました。

乗り気じゃない私も、流石に母親の言う通りお見合いする事を決めます。

私も、このままでいいとは思っていないからです。

いつまでも、恋人も作らず結婚もしないというのは、、、?

世間体にもよくなのかとお見合いしましたが。

私のお見合い相手は、母親が気に入りそうな男性ひとでした。

私の好みではない人です。

母には申し訳ないが、お見合いは断りました。

好きな人でもないのに、付き合う事ができなかったからです。





 *




ここから、更に3ヶ月後。

私の前に、若い男性が現れました。

彼の名前は、西尾ナオキ 歳は19歳で大学生です。

何故? 彼が私の前に現れたかというと?

目の前にいる彼は? “亡くなった彼だと言うのです”

でも? 彼が亡くなって20年も経ってるんですよ。

信じれるはずがありませんでした。

だけど目の前にいる彼は、亡くなった彼の事を何でも話してくれました。

私と一緒に過ごした日々の事や二人だけの秘密にしていた事。

何より、彼は亡くなった彼の雰囲気にそっくりでした。

私には、分かりました。亡くなった彼がまた私の前に戻ってきたんだと。

でも歳の差、21歳も違うと一緒に歩いていると? 親子のように見られ

るのです。

それでも、私は彼とまた一緒に生きて行こうと思いました。

やっぱり、私には彼しかいないからです。




最後までお読みいただきありがとうございます。

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