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1つ目

1つ目―――数学担当の理由―――


「誰かみーちゃん先生が美術じゃなくて数学の理由知ってる?」


この一言から今日も始まったみーちゃん先生まとめ隊の活動。


「そういえば赤崎理由聞いたんじゃなかったっけ?」


その一言で私に視線が集まった。


「うん、聞いたよー」


そしたらみんな目を輝かせてこっちを見た。口々に発せられる「教えて」や「ズルい」




―――




確か去年の夏だったと思う。先生に絵を書いてもらっていた時のこと


「どうしてみーちゃん先生絵が上手いのに美術の先生にならなかったの?」


「絵を書くのは好きなの。でもね絵の書き方を教えるのは苦手なの。私、デッサンとか出来ないし。それに美術って彫刻とか切り絵とかもあるし、細々したさ行飽きるから嫌いなんだー」


相変わらず可愛いみーちゃん先生の「嫌いなんだー」に心臓わしずかみにされた。


「じゃあ何で数学なの?」


「数学って楽しいやん。まあ文系教科苦手だからさ、理系受けるしか選択肢残ってなかったって言うのもあるんやけどね」


そして、たまに出る方言に萌えたっけ。




―――




「えーっと、絵を書くのは好きだけど教えるのは苦手だからとか、細々した作業は飽きるからとか、文系苦手だから理系って言ってた」


確かに先生は絵が上手い。だけど絵の書き方を聞いたときは「ラフ書いて線画にして色を塗る」って言われた。確かに絵を教えるのは下手だ。そして細々した作業にすぐ飽きるというのはみんな知っている。みんなでみーちゃん先生の幼馴染みの綾崎先生かーくん先生(名前が奏斗だからかーくん先生)の誕生日祝いをしようということになった時、みーちゃん先生はすぐに輪っか作りに飽きていた。(まぁ「飽きたー」って言ってて可愛かったからいいけど)


ガララララ


今までザワついていた教室に沈黙が訪れた。


「なんだ。電気付いてんなーっと思ったらお前らまだ居たのか。ファンクラブの活動もいいけど下校時間もうすぐだから帰る準備しろよ。」


「はーい、かーくん先生。」


他の先生なら確実に怒られていただろうこの活動、かーくん先生(このクラスの副担任)なら平気だ。学校非公認の部活として私達は活動しているが顧問の先生が実はいる。それがかーくん先生だ。


「いつ見てもかーくん先生イケメンだね」


「みーちゃん先生とかーくん先生やっぱり推せるわー」


とこのようにかーくん先生もファンクラブ内で人気である。


「まあ、今日は解散。櫻木はみーちゃん先生が数学の理由を纏めるように」


「了解、かいちょー」


今日の活動は終了らしい。

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