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序章 始まりの前日

それは、愛の喜劇と悲劇の始まりである前日の日。

いつもと変わらない日常でも突然に変わってしまう。

そんないつもが【最後】の日。

「愛してる。」

彼は言った。

好きな人、愛してる人、大切な人に言う愛の言葉を。

「もう一度言うね、愛してる。」

繰り返し彼は言う。

「返事は…いつでもいいんだけどさ。」

返事?

「なるべく早く答えてくれよ?」

返事?答え?

「…おーい?聞いてるー?」

そんなのは決まっている。

「無理に決まってんだろ。」

「え?」

「え?じゃねぇよ。」

「俺男だからね!!」

「いや、そんなこと知ってるって。」

こいつ。

めんどくさい。

「さぁ、君の告白には答えたよ。さっさと帰れ!」

「ハイ。」

何故だ。

ここは男子校でもないのに。

ハァとため息をつく

「何故なんだ……何故なんだーーー!!」

理由は分かっている。

自分が【男に好かれる体質】だからである。

「今月これで8回も告られた…」

「男じゃなくて女がいいです。」

誰に言うでもなく彼は独り言を呟いた。

もういい、帰ろう。

「突然だが弟よ。」

「何?なんなの?」

「oh…辛辣。」

「とまぁ、冗談はさておき女性がされて嬉しいことはなんでしょーーか!」

「綺麗な景色を見せてもらうこと?」

「残念!ハズレ!!」

こいつ。

「褒めてもらうこと?」

「違いマース。」

「プレゼントを貰うこと?」

「ちがーう。」

「それじゃあ…」

「おっと、弟君3回ミスったからこれにサインしてね?」

「サイン?」

契約書

あなたは兄 氷贄アレンと婚約することを誓います。

「は?」

「誰が書くかこんなもん!」

ビリビリに契約書を破る

というか、契約書と言うよりは婚姻届では……

「てか、俺たち兄弟だから!」

「愛があれば性別も血の繋がりも関係ないんだよん。」

「関係あるわ!」

クソ兄貴。

「ハァ、疲れる。」

時刻は既に夜中の午前2時。

こんな時間に兄弟2人で馬鹿なことをしていると改めて思う。

「そんじゃおやすみ。」

「じゃあ、優しいお兄様が添い寝しに。」

「来るな。」

「ハイハイ、ゆっくりと休むんだよ。」

「今日はやけに諦めが早いな…いつもは扉の前で1時間くらい話しかけてくるのに。」

就寝。


















いつもの日だとしても次の日はどうなるか分からない。

もしかしたら。

当たり前のようで当たり前ではないような日の始まりの前日

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