第30話「まりあと親友」
「ところで夏休み。どうすんの?」
茜が切り出した。
そうか…。
この身体になって初めての夏か…。
「早いわね〜。もう一学期も終わるのね〜」
美希が言う。
「まりあはどう?」
「え!?あたし?」
そこで、あたしに振る!?
「あたしは、まあ、こんな身体になって最初の夏だし」
「え!?こんな身体?」
「そう。こんな女の子になっちゃう身体…」
…ん!?変な間が…?
「あれ?そうだっけ?」
「みーとぅー」
「…」
二人の中で、あたしって…?
「だって、何かずーっと親友やってる感じがしててさ」
「あー!それ分かる!」
茜が言ったことに美希が同意した。
「どういう意味?」
あたしが訊いた。
「だって、あたし。魔法使い覚醒して女の子になったの、一年経ってないよ」
「そんなこと関係ないの。深さとゆーか密度が濃いとゆーか?」
「そうそう。そんなに長くはないかもしれないけど、馬が合うよね?私たち」
そういえば、女の子になって困っていた時に、声を掛けてくれたのがこの二人だった。
助かったし、それ以上に嬉しかった。
「あれ?何泣いてるの?まりあ」
「…え!?だって、だって…」
「もう、まりあったら。ホントに男の子だったの?」
美希がハンカチを貸してくれた。
「ありがとう。洗って返すね」
「いいよ。気にしなくて」
「鼻かんでいい?」
「それは気にして」
そしてあたしは、そのハンカチが翌日オークションに出され、高値で売れたことを後で知った。
「TS少女(本物)が涙を拭ったハンカチ」と銘打って。
…解せぬ。
ここまででした!
なるべく早くスマホを買いたいと思います!
ありがとうございました!




